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徹底比較:Pixel 4 vs iPhone 11 Pro 顔認証とナイトモードは互角も、致命的な欠陥が……

2019年10月25日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

CNET「Is Pixel 4 face unlock faster than iPhone's Face ID? We found out」より

 10月24日、Googleが開発した同社フラッグシップスマホPixel 4/Pixel 4Lが全世界でリリースされた。iPhoneキラーとしての地位を確立しつつある同スマホに対して、海外メディアはiPhone 11 Proと比較した記事を公開した。ふたつのスマホはほぼ互角の性能なのだが、Pixel 4/4Lには早くも致命的な欠陥が見つかっている。


(参考:【写真】Pixel4とiPhone11Proのカメラ機能を比較した写真はこちら


・スピーディなPixel 4、柔軟なiPhone 11 Pro
 テック系メディア『CNET』は23日、顔認証に関してPixel 4とiPhone 11 Proを比較する記事を公開した。同記事では、日常生活で想定される4つの使用ケースにおけるふたつのスマホの顔認証の速度を比較した。


 まず典型的な顔認証による解除動作となるスマホを顔の正面にかざした場合について、解除までに要する時間を比較した。Pixel 4は端末を顔に正面にかざした時点でロックを解除してホーム画面が表示される。ロック解除からホーム画面の表示まで操作なしで実行できるのは、同スマホに新機能Motion Senseが実装されているからだ。


 対してiPhone 11 Proではロックを解除してから、ユーザが画面をスワイプしてホーム画面を表示することになる。Pixel 4では画面をスワイプする動作を省略できるので、iPhone 11 Proよりホーム画面を早く表示できる。


 つぎに、起床時にスマホのロックを解除するような時を想定して、前かがみの状態でスマホをのぞき込む動作で比較した。この場合にはPixel 4はなかなか顔認証を行わなかったのに対して、iPhone 11 Proはすぐに反応した。類似の使用ケースとして、仰向けの状態で比較したところ、同じようにPixel 4は反応しないこともあったが、iPhone 11 Proは問題なく反応した。


 最後に暗い部屋のなかで比較したところ、どちらのスマホも顔の正面にかざした時にロックを解除した。この場合では、ホーム画面の表示まで実行するPixel 4のほうが優れているといえる。


 まとめると、顔の正面にスマホをかざす場合ではPixel 4に軍配が上がるものも、顔に対して角度が生じる場合ではiPhone 11 Proが勝る。こうした比較結果はスピーディなPixel 4、柔軟なiPhone 11 Proと表現できるだろう。


・夜空ではPixel 4の勝利
 『Business Insider』は23日、ナイトモードに関してPixel 4とiPhone 11 Proを比較する記事を公開した。暗い状況下でも鮮明な画像を撮影できるナイトモードは、最近のスマホカメラ性能競争の主戦場とも言える機能だ。比較は、様々な暗い状況で撮影した画像を比較して行われた。


 まずは夜の街並みを撮影した画像を比較した。ふたつのスマホはともに鑑賞に堪えうる画像を撮影しているが、わずかにPixel 4がより繊細に夜景を表現している。そのわずかな差は街灯の灯りの表現に現れている。


 つぎに夜空を撮影した。Pixel 4の画像では、深い青の夜空のなかに星の光を確認できる。対してiPhone 11 Proでは、星の光はほとんど確認できない。夜空に関しては、明らかにPixel 4が勝っている。


 さらに夜の屋外で撮影したポートレートでも比較した。Pixel 4は、男性の額のしわを鮮明に映し出している。対してiPhone 11 Proでは、男性の額のしわがほとんど見えない。


 暗い屋内でネコを撮影した場合も比較した。この場合では、iPhone 11 Proのほうがわずかではあるがネコの毛並みをより繊細に表現しているように見える。


 以上よりナイトモードに関しては、総じてPixel 4がiPhone 11 Proより優れていると言える。なお、日中撮影した画像の比較については、本メディアの記事で解説している。


・Pixel 4の“重大な欠陥”とは
 Pixel 4はiPhone 11 Proとほぼ互角の性能を有するものも、リリース前から致命的な欠陥があることが知られていた。US版『Engadget』の21日に公開した記事によると、同スマホはユーザが眼を閉じた状態でも顔認証のロックを解除してしまうことが判明したのだ。この欠陥を悪用すると、ユーザが寝ている時にスマホのロックを解除できてしまう。


 同メディアがGoogleにこの欠陥についてコメントを求めたところ、数ヶ月以内のソフトウェアアップデートで改修するという回答を得た。逆に言えば、同スマホはセキュリティ上の重大な欠陥を抱えたままリリースされるのだ。もっとも、ロック解除方法にパスワード入力を設定すれば悪用を心配しなくて済む。


 またテック系メディア『The Verge』が23日公開した記事によると、同スマホには節電対策として状況に応じて画面のリフレッシュレートを(1秒間に90回画面を描写する)90Hzから60Hzに低下させる機能があるのだが、今後数週間以内のソフトウェアアップデートで低下させる状況を増やすことが計画されている。この計画が実行されると、ユーザが意図していない状況で描画性能が低下するかも知れない。


 以上のようにPixel 4は主要な機能ではiPhoneシリーズと互角か凌駕しているものも、トータルな完成度ではまだ完全勝利にいたってはいないと言えるだろう。


(吉本幸記)