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空飛ぶ車からAI接客まで 『東京モーターショー2019』で示された“ワクワクする未来”

2019年10月24日 17:32  リアルサウンド

リアルサウンド

NECが開発した「空飛ぶクルマ」試作機

 『第46回東京モーターショー2019』が本日10月24日、東京ビッグサイト/お台場周辺エリアにて開幕。25日より一般公開される。


(参考:『CES2019』で見た「MaaSと自動車の未来」 思わず胸踊るカーライフの進化を追う


 今年の『東京モーターショー』のテーマは、「OPEN FUTURE」。業界を越えて世界8カ国、総勢187企業・団体が参加し、オールインダストリーで「クルマ・バイクのワクワクドキドキ」から、「未来の暮らし」「未来の街」まで領域を広げ、未来のモビリティ社会の展望が明かされる。


 また、従来の有明エリアに加え、新たに青海エリア、この2つのエリアを繋ぐOPEN ROADを含め、モビリティテーマパークとして過去最大規模の面積で展開。中でも、注目したいのは通信・電機大手をはじめとする約60社の企業・団体の最新技術が集結した「FUTURE EXPO」だ。MEGA WEBの空間すべてを使った90を超えるコンテンツで、未来を体験することができる。


 「FUTURE EXPO」では、「入国」「移動体験」「都市」「スポーツ」「地方観光」「未来のエネルギー」と大きく分けて6つにカテゴライズされたコンテンツが待っている。未来の日本をイメージに展示されたエリアでは、お笑い芸人が扮する3体のバーチャルキャラクターがお出迎え。猫のバーチャルキャラクターは写真を撮ろうとする筆者に、「いっぱい写真撮ってくれよな!」と声をかけてくれた。


 セコム、AGC、ディー・エヌ・エー、NTTドコモの4社が開発した「バーチャル警備システム」は、こちらが接近したことを感知すると、常に敬礼を続けた。これは、AIを活用した画像認識技術や音声合成技術、さらに次世代通信規格5Gなどを組み合わせたセキュリティシステムで、各種センサーを搭載するミラーディスプレイに表示された等身大の3Dキャラが、建物内の受付業務や警戒監視を行なうもの。会社の受付ロビーなどへの設置を想定し、2020年春の商用化を目指しているという。


 「移動体験」のエリアに入り一番に目に飛び込んできたのは、NECが開発した「空飛ぶクルマ」試作機。「今よりもっと自由に空を移動するために。」と掲げられたこの機体は、今年8月に浮上実験に成功した空の移動革命を感じさせるクルマだ。


 あたらしい都市のカタチが提示されている「都市」では、完全自動運転車や電気自動車など、多種多様な車が並んでいた。世界初展示となる新型エアモビリティの実機・XTURISMOは、大人1名を乗せて飛行可能なホバーバイク。エリアの中央に堂々と鎮座していたトヨタのコンセプトカー「LQ」は、AIやレベル4の自動運転機能を搭載しており、2020年6月には、東京都内の公道をLQが走る試乗体験ツアー「トヨタ YUIプロジェクトTOURS 2020」を開始する。オリンピック聖火リレーの隊列車両やマラソン競技などの先導車としても数台が導入される予定だ。


 「スポーツ」のエリアでは、「『e-Motorsports』in 東京モーターショー 2019」として『グランツーリスモSPORT』のトッププレイヤーが世界各国から集結し、開催期間中に「頂上決戦」が行なわれる。エリアにはいくつもの筐体が並べられており、『グランツーリスモSPORT』の雌雄体験も可能だった。


 NTTグループによる「Kirari!」は、これまでにない超高臨場感を実現するイマーシブテレプレゼンス技術。遠隔の複数の体育館やライブ会場に向けて、競技空間をまるごと伝送し再現することができる、未来のスポーツ観戦だ。


 「地方観光」のカテゴリーでは、東京駅と品川駅に全10台が設置されている、人工知能接客システム「AIさくらさん」も登場。東京モーターショーの案内モードで、通りすがる来場者に呼びかけていた。


 「FUTURE EXPO」の屋外には、NTTドコモの移動式5Gプラットフォーム「5G デモバス」が停められていた。「5Gデモバス」とは、前面7K+左右側面3Kの巨大スクリーンと音響設備を搭載した、高臨場感と没入感を体験できる仮想空間。2020年の商用化に向けた、高速大容量、低遅延、超多数端末接続が特徴の5Gが可能にするのは、スタジアム観戦にも匹敵するような映像体験だ。


 「FUTURE EXPO」で体感したのは、生活に密着したそう遠くない未来。その多くが5Gが商用化する2020年に目標を定めていたことも、現実的な日本の近未来を想像させた。『東京モーターショー』は、11月4日まで開催中だ。


(渡辺彰浩)