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「リト」初のショーは素材の多彩な表情を主役に、自然界のカラーパレットで大人の魅力引き出す

2019年10月18日 22:12  Fashionsnap.com

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「リト」2020年春夏コレクションのインスタレーションより Image by: FASHIONSNAP.COM
嶋川美也子が手掛ける「リト(Rito)」が「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S」に初参加し、インスタレーション形式で新作を発表した。会場は渋谷「トランク ホテル(TRUNK(HOTEL))」の4階にあるチャペル。たっぷりとドレープをとった純白の布で装飾し、イノセントな空間で2020年春夏コレクションを披露した。

 デザイナーの嶋川は、繊維商社スタイレムで16年間テキスタイルデザイン事業に携わった後に、2016年秋冬シーズンにリトをスタート。海外のハイブランド向けのテキスタイル企画の経験を活かしたオリジナル生地開発を軸に、毎シーズン「内から滲むラグジュアリー」をコレクションで表現している。初のショー開催について嶋川は、「純粋にもっと沢山の人にブランドを知ってもらいたかったため」と説明。素材感をじっくり見せるため、ランウェイショーではなくインスタレーションの形式をとったという。
 新作のテーマは「Hyper Nature」。ホワイトやアイボリー、サンドベージュといった自然界のカラーパレットに着想した。「ファッション業界ではサステナブルや環境配慮素材を使用することがトレンドのようになっているが、リトでは"究極の自然"を着る人が感じられるような、モードなスタイルを生み出したいと考えた」と嶋川。ウール100%でありながら夏でも着用できるようにガーゼのように薄く柔らかな素材を開発し、ビスコースの光沢感を備え緩やかにフィットするニットカーディガンや、楊柳生地のドレスを製作した。リネンのナチュラルなカラーを活かしたワンピースは、素材由来のヘルシーさを残しつつ、Iラインシルエットでモダンな雰囲気に。素材の多彩な表情が奥深さを演出した。

 アイコニックなパフスリーブのトップスはカシュクールジャケットとしてアップデート。繊細なレースで切り替えられたトップスやキャミソールドレスのブラックをはじめ、キュプラビスコースにラフなタッチの総柄を描いた深みのあるオレンジやくすんだブルーがスタイリングの幅を広げた。ベーシックな色味を基本としながら、テクスチャーのバリエーションで大人の女性が持つ様々な表情を引き出すコレクションに仕上げた。

■リト:2020年春夏コレクション 全ルック■ファッションウィークの最新情報:特設サイト