ブランド総合研究所は10月17日、都道府県別、市区町村別に各地域の魅力を数値化する「地域ブランド調査2019」の結果を発表した。調査は、今年6月下旬から7月上旬にネット上で実施し、20~70代の男女3万1369人から回答を得た。
都道府県の魅力度ランキングでは、「北海道」(61ポイント)が11年連続の1位に。以降の「京都府」(50.2ポイント)、「東京」(43.8ポイント)、「沖縄」(40.4ポイント)、「神奈川県」(34.5ポイント)と上位5位は昨年とまったく同じ顔ぶれだった。
市区町村別でも北海道は人気? 「令和」ゆかりの太宰府市が躍進
一方、ワースト5には「茨城」(9.4ポイント)、「佐賀」(11.2ポイント)、「群馬」(11.5ポイント)、「徳島」(12.2ポイント)、「栃木」(12.5ポイント)。6位にも「埼玉」(12.5ポイント)が入った。繁華街でにぎわう東京や神奈川の影に隠れた"ハズレ感"のある北関東は不人気のようだ。
市区町村別の調査でも、上位5位に「函館市」(53.7ポイント)、「札幌市」(52.9ポイント)、「京都市」(51ポイント)、「小樽市」(48ポイント)、「神戸市」(44.9ポイント)と北海道から3市が選ばれたほか、花畑で有名な「富良野市」(40.8ポイント)も9位にランクインしている。
今年5月に発表された新元号「令和」の典拠とされる歌にゆかりがある太宰府市(福岡県)では、魅力度が昨年の77位から41位(27.5ポイント)に急上昇。観光意欲度や認知度といった他の項目でも、昨年から大幅に数字を伸ばしていることから、メディアに露出する機会が増えたことで関心を持つ人が増えたと考えられる。
前年から最大幅の上昇を見せたのはあの"温泉地" 大阪も過去最高位を記録
ランキング6位の大阪府(32.9ポイント)は過去最高位。同社は理由について、2018年11月に「2025大阪万博」開催が決定したことや、今年6月に実施されたG20、また、7月には「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産に登録されたことを挙げた。
さらに、昨年から大ジャンプを見せたのが神奈川県の温泉地「箱根町」(36.6ポイント)だ。2015年に火山性地震が活発化したことで噴火警戒レベルが引き上げられて以降、20ポイント台前半で推移していたが、今回は大きく上昇。若年層、高年齢層の支持を得て、14年以前のポイント水準に回復した。また、観光意欲度でも24位から5位と大躍進している。
だが、町内では10月12日に関東地方に接近した台風19号によって土砂崩れが発生しており、観光客の足になる箱根登山鉄道や主要道路が寸断、現在も通行止めの状態が続いている。紅葉シーズンを前に襲った"望まない来客"だっただけに、観光業への打撃が心配だ。