2019年10月17日 11:01 弁護士ドットコム
モデルの道端アンジェリカさんの夫が、恐喝の疑いで逮捕されたと報じられた。これを受け、道端さんは10月5日、所属事務所のサイト上で「一連の報道に関しまして 道端アンジェリカより」と題して、経緯を説明した。
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この中で「私が夫の発言の現場に居合わせねばならないような状況を作り出してしまったことに対しても、深く反省」「今回の夫の発言は、私が知人の男性と身体を密着させ飲酒していたことを夫が疑い、そのことで夫がお相手の方を責めた結果、なされたものでした」と背景を書いている。
詳細は定かではないが、配偶者の不貞、あるいは不貞疑惑をめぐって当事者間で話し合いがもたれることは一般でも間々あることだろう。このような場合、どのような注意が必要か。男女問題に詳しい原口未緒弁護士に聞いた。
「配偶者の不貞、あるいは不貞疑惑をめぐって、当事者間で話し合うことはよくあるようです。しかし、専門家を介さず、いわゆる『素人考え』で不用意に行うことで、今回のようなトラブルに発展し、こじれてしまっていることが多いように見受けられます。
まずは、専門家である弁護士に相談をしたり、もしくは弁護士を代理人に立てて行うほうが一番懸命ではあるかと思います」
ーー時間的な問題などで、当事者間で話をすることもありそうです。その場合、どんなことに注意する必要がありますか
「まずは自分が相手に対して、法的に何を言うことができて、請求する権利があるのか、きちんと確認をしてから行動しましょう。
つぎに、行動に移るときには、できればまずは文書で通知をするなどしてから、面談をしたほうがトラブルは少ないかと思います」
ーーなぜ事前の連絡が必要なのでしょうか
「いきなり不貞相手の自宅や勤務先を訪れて、話し合いや誓約書へのサインを求めてしまう方も多くいます。しかし、いきなりでは、相手も不意をつかれて心の準備ができておらず、攻撃的になったり、事実を認めなかったりするものです。
その結果、相手の態度を硬化させて、相手が謝罪をしなくなったり、開き直って不貞の事実を否認したり、反対に嫌がらせを受けることもあります。また仮にその場で、誓約書にサインをさせても、後から脅迫されて書かされたなど、言われてしまう可能性もあります」
ーーその他、気をつけるべき点はありますか
「どうしても『自分は被害者なのだから』という気持ちが強く先行してしまい、何をしても許される、何を要求しても認められる、と思ってしまいがちです。しかし、そのような考えで不用意に行動してしまうと、相手に対する態度や要求なども強くなってしまいます。
いずれにしても、『自分は被害者なのだ』『相手は加害者なのだから何をされても当然』という考えでいると、今回のアンジェリカさんの夫のように、かえって自分が不利な立場に追い込まれたり、不利益を被ることもあります。
話し合いはくれぐれも慎重に、法に則った方法で行うよう、注意をしてください」
【取材協力弁護士】
原口 未緒(はらぐち・みお)弁護士
東京護士会所属。心理カウンセリング・ヒーリングも併用しながら、こじらせない円満離婚の実現を目指します。著書『こじらせない離婚―「この結婚もうムリと思ったら読む本」(ダイヤモンド社)
事務所名:弁護士法人 未緒法律事務所
事務所URL:http://mio-law.com