2019年10月13日 07:01 リアルサウンド
YouTubeの『ジャニーズJr.チャンネル』に、Travis Japanと美 少年の2グループがそれぞれダンスプラクティス動画をアップした。思い思いのリハーサル着に身を包み、スタジオの定点カメラで撮影されたダンス動画は、ステージ衣装できらびやかに踊る姿とは、また違った魅力にあふれている。
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コンサート会場の大型ビジョンや歌番組のVTRとは異なり、アップのアングルに切り替わることがないため、全体を俯瞰的に観察できること。リラックスした表情やストイックに練習を重ねた真剣な眼差しなど、舞台裏だからこその雰囲気が味わえること。そして、フォーメーションの変化はもちろん、一人ひとりの動きに焦点を絞って通して見られるのも大きな醍醐味だ。
演出で味付けをしない素材勝負の動画だけに、グループの実力や個性が明確に出てくるのも特徴。同時期に2グループがアップすれば、その違いがより浮き彫りになる。ジャニーズJr.は同じ夢を見る同志であり、切磋琢磨をしていく最大のライバル同士であることを思い出させてくれるタイミングでの動画アップだ。
Travis Japanは、マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」で振付師を務めた、トラヴィス・ペインによって結成されたグループなこともあり、「さすが」と言わせる仕上がり。メンバー編成を繰り返す中でも、そのプライドは不変だ。トラヴィスから直々にレッスンを受けたメンバーを筆頭に、ジャニーズJr.全体のダンススキルを向上させてきたと言っても過言ではない。
そんな彼らのダンスは、ビシッと揃う爽快感が見どころ。特に、腕を水平に上げる場面に注目してほしい。高さ、角度が気持ちいいくらいに揃っている。一人ひとりの柔らかな動きにはしっかりと個性を感じるのに、全員で合わせる場面ではきっちりと整えてくる。これぞ、個を超えた和の力。
そして、何よりもダンスを楽しんでいる姿が微笑ましい。このメンバーで踊れるという喜びを体現しているようで、見ているだけで自然と頬が緩み、リズムに身を任せたくなる。そんなポジティブな引力も、Travis Japanのダンス動画からは感じられるのだ。
一方、美 少年のダンス動画は、儚さと色気がふわっと香る妖艶な雰囲気。「ねぇ もっと」はKAT-TUNの亀梨和也によって作詞された楽曲。亀梨のソロ曲を彷彿とさせるしっとりとした楽曲にのせて、少年から大人へと変化していくまさに今このときだからこそ魅せられる舞いを披露している。先輩から受け取ったチャンスに、精いっぱい応えようとしている健気さも相まって、グッとくる。
Travis Japanの磨き抜かれたダンスに対して、美 少年はまだまだ原石ならではの輝きを放つ。不揃いなところがありつつも、それは一人ひとりの伸び盛りなところを感じさせる魅力でもある。先日、アメリカ・ロサンゼルスにてステージに立ち、それぞれが自信を持ち始めた美 少年。彼らの花開こうとしているところを見届けられるのも、今ならではだ。
なかでも、浮所飛貴の一つ抜き出た感は見逃せないポイントだ。指先まで神経を行き届かせた繊細さと、ぶれない体幹に大人の力強さが見え隠れしている。彼が中心となって、美 少年のダンスが大きな武器になっていく予感がした。
年々、ダンスに対するジャニーズJr.への期待は高くなる一方だ。デビュー組が「今のジャニーズJr.はすごい」と口をそろえて言うのも頷ける。そんなプレッシャーをもバネに向上していく、ジャニーズJr.たちのダンスプラクティス動画から、今後も目が離せない。(文=佐藤結衣)
※岩崎大昇の「崎」は「たつさき」が正式表記。