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東京防災が教える台風対策…「最小限そろえたい」アイテムをチェック

2019年10月11日 11:21  弁護士ドットコム

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大型台風が接近しているとき、私たちはどんな対策をすべきだろうか。2015年に東京都が作成した防災ブック『東京防災』には、あらゆる災害への備え、災害が起きてからの対応が書かれている。台風に対して必要な備えは何か。『東京防災』をもとに台風対策を整理する。(ライター・高橋ホイコ)


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●災害対策として「最小限そろえたいアイテム」

大規模な災害が起きたときに想定されるのが、電気・ガス・水道などの「ライフライン被害」と物が買えなくなる「物資供給の停滞」だ。これらに対応できるよう、日常備蓄が奨励されている。



日頃から利用している食料品や生活必需品を少し多めに購入しておくのが「日常備蓄」。備蓄品は日常生活で使い、使ったら補充する。『東京防災』は、夫婦と乳幼児1人、高齢者1人の4人家族をモデルにした、備蓄品のリストを紹介している(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/006/390/02/02-01.pdf)。



このリストを参考に各家庭に合わせた備蓄をしておくといいだろう。食料はまずは3日分を目標に、余裕があれば1週間分を目安にそろえておきたい。また、生活用水を確保するために、風呂には常に水を張っておくことが推奨されている。



●ハザードマップで危険度をチェック

台風など暴風雨が警戒されるときは、自治体が提供しているハザードマップを見て、どこが危険性が高い場所なのか確認しておくことが重要だ。東京都では浸水予想区域図を公表している。浸水が置きやすい場所を知ることができる。



浸水に備えるには「土のう」「水のう」「止水板」などを活用する。ゴミ袋に半分程度の水を入れた「簡易水のう」を隙間なく並べる、止水板の代わりに長めの板を利用する方法もある。



特に注意が必要な場所は、冠水・浸水のおそれがある「低地帯」、「地下室・半地下家屋」、「河川の近く」、土砂災害の危険が高い「崖地周辺」、「山間部」だ。地下室・半地下家屋なら、土のうや止水板を用意するとともに危険を感じる前に避難するなど、それぞれの場所に合わせた対策を講じ、すぐに避難できるように準備しておきたい。



●台風が来たら「通り過ぎるのを待つ」

台風接近時に外にいた場合は、近くの施設で通り過ぎるのを待つ。自宅にいる場合は、外出を控えること。屋根や窓の補修のために外へ出るのも危険だ。  



公共機関の情報を聞き、最新の気象情報に注意する。避難情報が発表されたら、安全を確保したうえで避難する。浸水時の歩行が可能な水位の目安はひざ下まで。水位が低くても水の勢いで動けなくなる危険性があるので、水が流れてきたら高所へ早急に避難する。



冠水している道路は、マンホールや側溝のふたが外れて転落する可能性もあり危険だ。やむを得ず冠水箇所を移動する場合は、傘などで地面を探りながら移動する。



●被災後に役立つ知識も「東京防災」にある

東京防災には、被災後に役立つ知恵も書かれている。「水をポリ袋と風呂敷で運ぶ方法」「簡易おむつの作り方」「布ナプキンの作り方」「ペットボトルで皿を作る方法」などだ。中でも、ライフラインが止まったときにいちばん心配なのはトイレではなかろうか。



断水していても、排水ができればトイレは利用できる。洋式の場合、バケツ一杯の水で排せつ物を流すことができる。和式の場合は、排水レバーを押しながらバケツ1杯の水を勢いよく流す。どちらの場合もトイレットペーパーは流さずゴミとして捨てる。



排水もできない場合は「簡易トイレ」の作り方を知っていると便利だ。便座をあげ、ポリ袋ですっぽり覆う。養生テープがあれば袋のふちを便器に貼って固定する。2枚目のポリ袋を便座の上からかぶせ、新聞紙や紙おむつを入れる。段ボールやバケツでも、ポリ袋と新聞紙で簡易トイレを作ることができる。使用後は上のポリ袋を所定の場所に捨てれば良い。



●もし、災害が起きなくても、日常備蓄は無駄にならない

「日常備蓄」は、災害が起きなかったとしても無駄にならないものである。これを好機ととらえ、準備するのもよいのではないだろうか。『東京防災』は東京都防災ホームページでPDFファイルを閲覧することができる(https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1002147/1006044.html)。何よりの備えは、まず『東京防災』を読んでおくことかもしれない。