2019年10月07日 07:01 リアルサウンド
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(米国)が、PlayStationに搭載する「AIを活用した音声アシスタント」の特許を出願していることが分かった。
(参考:PS5の本体デザインがリーク デザインコンセプトは「レトロフューチャー」?)
・AIが各プレイヤーを分析し最適な回答、世界知的所有権機関のデータに詳述
業界アナリストのダニエル・アフマド氏が「ソニーは、PlayStation Assistと呼ばれるAI搭載の音声アシスタントの新しい特許を申請しました。クエリを入力すると、ゲームはダイナミックに応答します。例えば、 最も近いヘルスパックを要求すると、ゲームのマップ上でそれを示すというものです」とツイートした。
アフマド氏が根拠に挙げるのは、世界知的所有権機関のデータが掲載された『WIPO IP Portal』(参考:https://patentscope.wipo.int/search/en/detail.jsf?docId=WO2019183343&tab=PCTBIBLIO)。その内容は下記の通り。
「発行日:2019年9月26日。出願者:SONY INTERACTIVE ENTERTAINMENT LLC [米国]。国際記録日:2019年3月21日。タイトル:人工知能を使用した音声ヘルプシステム。摘要:ゲームアシスタントの方法。ゲームアプリケーションのプレイヤーの複数のゲームプレイに関連する情報は、バックエンドサーバーでネットワークを介して受信される。クエリおよび現在のゲームコンテクストへの応答は、複数のゲームプレイに関連する情報に基づいて生成される。応答はプレイヤーのデバイスに返される」
この出願をわかり易くいうと、Siri(Apple)やAlexa(Amazon)のようなAIアシスタントがゲーム機に搭載されて、プレイ中に話しかけると色々な支援をしてくれるというイメージだ。一辺倒な回答ではなく、各プレイヤーの行動履歴等をAIが分析して、最適なアドバイスを行う。
・『PS5』にAI搭載しXboxに差をつける?
『Forbes』は、ソニーが他のゲーム機に勝つための手段がPlayStation Assistだとしている(参考:https://www.forbes.com/sites/krisholt/2019/09/30/sony-may-be-working-on-a-playstation-focused-version-of-siri-and-alexa/#3ce50a8c4186)
ソニーは、PlayStation 5を開発中で、次なるXbox(マイクロソフトが開発するゲーム機)に差をつける方法を確実に検討している。
音声アシスタントを使用して、アイテムの場所など、プレイ中のゲームの特定の場面について質問し、マップ上でそれを示すということができる。また、友達とゲームをするスケジュールを組む、仲間がプレイしているものを調べる、最適な戦略について学ぶといったことも可能だ。
もちろんマイクロソフトには、CortanaとうAIアシスタントがある。PlayStation AssistがSiri、Alexa、Google Assistant等の音声アシスタントの成功レベルに達するか好奇心をそそられる。
・ゲーム機専用AIアシスタントは優位性あり?
一方で『Gamesradar』は、PlayStation Assistは他のAIアシスタントに対して、特定のゲームプレイでは優位性があると予見する(参考:https://www.gamesradar.com/ps5-voice-assistant-patent/)。
このディープラーニング・エンジンは、Siri、Google、Alexaと、この音声アシスタントを差別化する、重要な要素となる。他の音声アシスタントは、プレイしているゲームに直接つながっていないため、質問の言い回しが正確にわからない場合、適切な回答をするのに非常に苦労するだろう。
いずれにしても現在、多種多様なものにAIアシスタントが使われており、ゲームがAIを使うのは、ある意味では、必然的な流れなのかもしれない。
ソニーは、次世代ゲーム機PlayStation 5(PS5)を開発中だと言われているが、このゲーム機専用AI音声アシスタントが実装されるのだろうか。そして、他のゲーム機がどのような対抗策を講じてくるのかも、気になるところだ。
(Nagata Tombo)