人が怒られたり恥をかくようなシーンを見た時、あたかも自分自身が怒られたり恥をかいているように感じてしまう心理現象を「共感性羞恥」と呼ぶ。
まだあまり周知されていない言葉ではあるが、ガールズちゃんねるに10月1日、「共感性羞恥の人が見ていられない場面」というトピックが立ち、「サービス業のスタッフが客前で上司とかに怒られてる所」など、日常生活で共感性羞恥を起こしてしまう様々なシチュエーションが寄せられた。
「インスタやLINEのタイムラインとかで、リア充ぶってキラキラした写真をアップする人。本当のお金持ちならいいんだけど、経済状況や生活スタイルも何となくわかるような知り合いが、そういう写真を載せてると『めっちゃカッコつけてる』と思って恥ずかしくなる」
SNS上で背伸びをしている知人に対しても恥ずかしさを感じる人がいるようだ(文:石川祐介)
「半沢直樹が理不尽な仕打ちを受けるシーンが辛く、興味あるのに結局観れなかった 」
スレッド内ではテレビ番組に関するコメントが多かった。特に、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)で、出川哲郎さんが外国人に拙い英語でコミュニケーションを取る"出川イングリッシュ"に恥ずかしさを覚える人は多く、「外国人に内心馬鹿にされているんだろうな」と考えてしまい胸が苦しくなってしまうという。
ほかには、「NHKのど自慢の上手い人以外」「演技が下手すぎる人の出てるドラマ」という声も。歌や演技が下手な人を見ることも辛抱たまらないのだろう。また、「即興ラップが苦手」という人も少なくない。バラエティ番組で芸人やアイドルが無茶振りされて、グダグダなラップを披露するシーンは確かに目を背けたくなる。嵐・櫻井翔の通称"サクラップ"についても「耐えられない」という声が出ていた。
「番宣に来た出演者同士が褒め合いっこしてると恥ずかしくなる」
心にもないお世辞合戦にも、「思ってもないこと言ってるな」「言われたほうは恥ずかしくないのか」と考えてしまい、敏感に反応してしまう人もいた。共感性羞恥の人は、人の言動の裏を推測しようとしてしまうため、いろいろな考え巡られてしまい辛くなってしまうのだろう。
「半沢直樹が理不尽な仕打ちを受けるシーンが辛く、興味あるのに結局観れなかった 」
ドラマや映画も例外ではない。主人公が仕事でミスしてしまい上司に叱責されたり、クラスメイトが虐められたりするシーンも耐えられない。そうなってくると共感性羞恥の人が安心して楽しめる作品は少なくなってきそうだ。