「映画館で席に座るまでつまみぐいはNGなの?」
消費増税と軽減税率の導入を受けて、映画館での飲食が厄介なことになっている。ポップコーンなどを購入した際に、劇場内で食べるなら税率8%だが、ロビーで食べると10%になってしまうというのだ。
国税庁によると、映画館内に設置された売店で行われる飲食料品は「単に店頭で飲食料を販売しているもの」として、軽減税率の対象となる。しかし、劇場ロビーの椅子やテーブルを設置して飲食を提供すると、「食事の提供」となり軽減税率の対象外となる。
ネット上では「ドリンクを席につくまで飲んだらだめってこと?」「座席で食べるなら8%って驚き」など困惑の声があがっている。
映画鑑賞するなら8%で従来どおりロビーで飲食してもOK
実際、映画館はどうなっているのか。新宿ピカデリーの飲食料注文カウンターには「当劇場の飲食物は税込統一価格にてご提供いたします」とあり消費税は8%、注意書きとして「ロビーでのみのご飲食を目的とされる場合はお会計の際にお声がけください」と記されている。
TOHOシネマズ新宿でも、メニュー表の下に同様の注意書きが記載されていた。TOHOシネマズ広報担当者は「映画は観ず、ロビーで飲食のみを利用するという申告があれば、軽減税率の対象外となります」と話す。
「劇場内の座席はレストランのように飲食の提供を目的としているわけではないので、軽減税率の対象となります。今までも映画鑑賞せず、飲食のみのお客様もいました。ただ、スタッフ側がロビーで飲食されている人にお声がけをすることはありません」
つまり、飲食のみの目的でないならば、映画鑑賞する前に、ロビーのイス・テーブルを使用して飲食をするとしても申告は必要ない。もっとも、申告をしても客の支払額は変わらない。飲食のみ利用する場合は税抜価格を値下げして対応しているという。
ただし、すべての映画館が同じ対応を取っているわけではない。イオンシネマは劇場内飲食と、劇場ロビーでの飲食で販売価格が変わる。公式サイトによると、ポップコーンSサイズが劇場内飲食だと350円(税率8%)、飲食利用だと355円(10%)となる。たかが数円かも知れないが、しっかり申告したいところだ。