エン・ジャパンは9月26日、「退職のきっかけ」に関する調査結果を発表した。調査は今年7月~8月にネット上で実施。1万74人から回答を得た。
「これまでに退職を考えたことはあるか」と回答した人は96%にのぼる。退職を考え始めたきっかけは、「やりがい・達成感を感じない」「給与が低かった」(同41%)が同率1位となった。3位は「企業の将来性に不安を感じた」(36%)となった。
年代別で見ると、「給与が低かった」は20代(46%)と30代(44%)が4割を超えた一方で、40代は36%となった。
また「残業・休日出勤など拘束時間が長かった」(20代33%、30代28%、40代19%)、「自分の成長が止まった・成長感がない」(20代28%、30代28%、40代18%)は若い年代ほど退職を考え始めたきっかけになったということが分かった。
男女別に見ると、「企業の将来性に疑問を感じた」は男性(40%)が女性(33%)を、「体調を壊した」(男性12%、女性17%)と「結婚・家庭の事情」(男性7%、女性13%)で女性が男性を5ポイント以上上回った。
転職を伝えるタイミングは「決意したとき」が最多
転職経験がある人は71%で、退職理由を伝えたタイミングは「退職を決意したとき」(35%)が最も多かった。若い世代ほど退職を決意したときに伝える傾向がある。最初の報告先は「上司」(65%)、退職までにかかった期間は「1~2か月以内」(41%)がそれぞれ1位だった。
周囲の社員が退職する際に「この進め方は良くない」「困った」と感じたことがある人は36%。困ったことの1位は「退職日が急すぎる」(53%)で、具体的には、
「突然前触れも無く、いなくなられると正直困惑するし、迷惑だな…と思っていました」(27歳女性)
「販売職なのですが、セール直前に店長から『退職する』と言われ、どうやってお店を回したら良いか分からなくなった」(34歳女性)
といった声が多く寄せられた。
転職で困ったこと「引き継ぎが適当」「転職を伝えるタイミングがよくない」
2位は「引継ぎが適当(引継ぎ期間・内容など)」(42%)で、
「引継ぎ期間が短かったので、残された人達で仕事をまわすのが大変でした。最低限でも良いので、マニュアルを作ってから辞めてほしかったです」(31歳女性)
「引継ぎの情報が少なく、社内で使っているIT機器の引継ぎや解約、諸連絡先が分からず、かなり手間取った」(36歳男性)
といった、意見が挙がった。円滑に後任が仕事に取り組めるような環境を望む声が多かった。
3位は「退職を伝えるタイミングがよくない」(28%)がランクイン。
「新しい仕事を任された直後に退職意向届が来ました」(29歳男性)
「上司や人事ではなく、同僚や部下に退職意向を伝えており、それが上司の耳に入ってしまった。退職を伝える順番は大事」(43歳女性)
タイミングや相手を注意深く見極めることが大切であるといった意見が寄せられた。