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スタートアップ企業の課題1位「次世代リーダーが育っていない」――「労働環境が悪く常に人材不足」という声も

2019年10月03日 07:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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リクルートマネジメントソリューションズは9月20日、「成長企業 における人材・組織マネジメントに関する実態調査」の結果を発表した。調査は今年7月にネット上で実施。組織規模が拡大しているスタートアップ企業(従業員規模50人以上~1000人未満)の組織づくりの責任者(経営者、事業責任者、人事責任者)300人から回答を得た。

「組織の人事・組織戦略で課題と感じているテーマ」を聞くと、最も多かったのは、「自分の後任を担える人材・次世代リーダーが育っていない」(47.7%)だった。以降、「採用ブランドが低く欲しい人材が集まらない」(45.3%)、「採用した人材のパフォーマンスが上がらない」(40.7%)で、その中で最も課題だと感じていることを1つ選択してもらったところ、「採用ブランドが低く欲しい人材が集まらない」(20.7%)が最多だった。

「給与水準が低い」「全分野で人材不足」の声多数


「マネジメント」についてのコメントでは、「プレイングマネジャーが多く、部下に任せる方法を知らない管理職が多く存在する」といった意見が挙がった。

「採用・定着」については、

「給与水準が低い上に、労働環境も悪く、常に人材不足の課題を抱えているが、必要な人材確保はおろか既存人材の定着すらおぼつかない状況であるため、ますます個人の負担が増えてしまう悪循環に陥っている」(事業責任者・52歳)

といった切実なコメントが寄せられた。「人事制度・評価」ついては

「人材の客観的な評価基準が確立途上であり、従業員サイドの納得感が低い」(人事・58歳)

といったそれぞれが抱える問題が浮き彫りになった。

その他には、

「全体的に全分野で人材不足」(事業責任者・54歳)
「知名度をもう少しアップしていかないと」(事業責任者・43歳)

といった人手不足やブランディング戦略が上手くいっていないといった課題が寄せられた。

理想とするのは「成果を上げた従業員が評価を受け出世することができる組織」

次に、「現在の組織の特徴として、もっともあてはまると思うもの(現実)と、自身の組織の戦略を実践していく上で望ましい組織の特徴としてあてはまるもの(理想)」を聞いた。

「現実」と「理想」の両方で最も高かったのは、「一定の階層はあるが、成果を上げた従業員が評価を受け出世することができる組織」という項目だった。また、「理想」より「現実」の方が高かったのは、「特定のリーダーが組織を力強く牽引する組織」(15ポイント高い)だった。

一方で、「理想」より「現実」の方が低かったのは、「一定の階層はあるが、成果を上げた従業員が評価を受け出世することができる組織」(9ポイント低い)、「階層的な指示命令系統はなく、組織の目的を実現するために、メンバー全員が独自のルールや仕組みを工夫する組織」(7ポイント低い)という結果だった。

「所属企業で導入している人事施策」を聞くと、1位は「育児休暇制度」(67%)、2位は「再雇用制度」(48.3%)、3位は「全社員が一堂に会するイベント」(39.3%)という結果だった。以降、「裁量労働制・フレックス制度」(32.7%)、「経営陣との交流機会」(31.7%)、「社員同士のランチ・ディナーなどの懇親会費用補助」(28%)、「在宅勤務制度」(19%)と続く。

人事制度で珍しい、工夫していることを聞くと、

「社外の機関などで、最大3か月間、設定したテーマを深堀、研究できる、テーマ休暇制度がある 」(人事・58歳)
「社内SNS上で、企業理念に即した行動を取った社員を全員で褒める活動」(企業経営・役員54歳)

といった、社員のやる気を高め組織を活性化させていく取り組みが挙がった。