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「従業員に脳波測定キット」が波紋 東急不動産は「記事の修正を依頼中」と困惑

2019年10月02日 18:31  弁護士ドットコム

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従業員は頭部に脳波測定キットを着用ーー。9月30日に日経クロステックに掲載された東急不動産についての記事が波紋を呼んでいる。


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社員を管理するためのように見えるが、弁護士ドットコムニュースが東急不動産に尋ねたところ、広報担当者は次のように否定した。



「脳波測定は、働きやすいオフィス環境を顧客に提案するときの裏付けとして使う。承諾を得た社員を対象に、オフィスに緑を置いたときの脳波データを収集している。日経クロステック側には、記事の修正を申し入れた」



日経BP社は、東急不動産ホールディングスの申し入れを受け、10月2日17時45分付で記事を一部修正した。



●「社員の気持ちを把握する目的ではない」

記事は、9月30日に開催された東急不動産ホールディングス・東急不動産の新本社オフィスの報道向け内覧会をまとめたもの。



脳波測定キットについては、「新本社の従業員は頭部に脳波測定キットを着用し、測定データを基に『ストレス度』『集中度』『興味度』『快適度』『わくわく度』の5つの指標を可視化する」とあり、ネットでは「ディストピア」「地獄だ」といった反応が上がっている。



東急不動産の広報担当者によると、脳波測定キットをつけているのは、オフィスの環境づくりを提案する「都市事業ユニット」の従業員で着用をOKした約30人。実施期間は検討中だという。



例えば、一般的に言われている「緑がある環境は落ち着く」といった言説について、脳波測定キットを使って会議室内の植物が脳に与える影響を確認。測定したデータを分析し、顧客のオフィス作りの提案に活かすという。今後、脳波測定キットを顧客に販売することはないという。



広報担当者は「誤解が広がっているが、社員の気持ちを把握するといった使い方ではなく、提案の際のデータとして使うものです」と話した。



同社は移転前のオフィスでも、執務スペースの卓上を緑化した場合の変化を測定。結果については8月8日のプレスリリースを出している。



【追記】日経BP社が記事を修正した旨を追記しました(19時10分)