消費増税直前の9月末に朝日新聞が掲載した「朝日新聞は値上げしないで頑張ります!」 と企業努力をアピールした広告が、ネット上で批判の的になっている。多くのツイッターユーザーが画像付きで投稿し、「企業努力で値上げしないかのような印象操作」といった違和感コメントが相次いでいる。
10月1日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、幻冬舎の敏腕編集者として知られる箕輪厚介氏が、この広告について「頭おかしくないですか?」と、新聞社の世間ずれした感覚を痛烈に批判した。(文:okei)
「腑に落ちないし、僕が1番恐怖に感じたのはこの世間ずれしてる感じ」
定期講読の新聞は、食品と同様、軽減税率の対象として税率8%に据え置かれている。制度上「新聞は8%のまま」と決まっているため、箕輪氏は「僕これ、誰かがコラージュで捏造したのかと思って、最初信じなかったくらいなんですけど」と驚きを語った。
「朝日新聞は軽減税率適用されて消費税8%のままじゃないですか。なのに一面で『朝日新聞は値上げしないで頑張ります』って言ってるんですよ。頭おかしくないてすか?」
「そりゃお前8%のままだろって話なのに、僕らは値上げしませんとか言うんですよ。頭いかれてる」
MCのふかわりょうさんが「確かに腑に落ちないフレーズではありますね」と受けると、箕輪氏は「腑に落ちないし、僕が1番恐怖に感じたのはこの世間ずれしてる感じ」として、
「世の中の人はみんな、え?新聞8%っておかしいよって言ってることすら、こんなことしたら絶対みんな叩くっていうことを、会議で誰も言わない会社ってやべえなと」
などと、新聞社の視野狭窄ぶりを痛烈に批判した。
作家の岩下尚史氏が、「しょうがないのよ、インテリっていうのはみんな世間知らずなのよ。そういう時代もそろそろ終わる」と なだめるように話すと、箕輪さんは、
「そうなんですよ。そんな人達が作ってるもの読みたくねえなって思うんですよ。もう、本当にびっくりしました」
と、重ねて違和感を語った。
様々な不公平感がある中で、やぶ蛇をつく結果に
新聞が軽減税率の対象になると決まった2016年、「新聞をとるのはお金を持っている高齢者が多い」という批判や、「活字文化の保護というなら、書籍や他の著作物も対象になるはず」などの異論も多かった。また、軽減税率の対象となったことで、政府に都合のいい記事ばかり書くのではないか、と懸念の声も出ている。最近では女性から、生理用品が対象外であることの不満も多数出ていた。
食品以外では新聞だけが保護される不公平感が残った中で、この広告だ。さすがに箕輪氏の言うように、「世間ずれ」した広告で、やぶ蛇だったのではなかろうか。