茨城県の受験予備校常勝は9月、「正しい鉛筆の持ち方習得コース」を開始した。2021年から実施される大学入学共通テストで、記述式問題が導入される。同校は以前から、正しい筆記具の持ち方の指導に力を入れており、
「マークシートと比べると、読めない程に文字が汚いクセ字などの大学受験者は不利になります。記述式の採点では、不正解にされない文字をスピーディーに書けることが必要になります」
とコメント。そのために、正しい筆記具の持ち方ができるか否かが重要になるという。講座は同校勝田教室で、月・水曜日の17時から50分間行われる。対象は小学生~高校生で500円(税込)で受講できる。
正しくない持ち方の生徒には1日7回以上「正しい持ち方」にするよう言い続ける
同校は、ゲーム機やスマホの普及で、文字が正確に書けない、乱雑な文字しか書けない子どもが増えていると指摘。正しい持ち方に矯正すると、
「見やすい文字を書くことで理解や記憶が強くなり、思考力が強化され、学習を習慣化することで集中力もスピードも精度もアップします。でも、持ち方が駄目だと、全てのブレーキになります」
という。
その上で、「正しい筆記具の持ち方」を理論的に説明し、矯正具を使って指の配置を指導する。正しくない持ち方の生徒には1日7回以上「正しい持ち方」にするよう言い続け、生徒が書いた文字は全て点検し、不正解になる可能性が高い場合は修正指導を行う。
「持ち方が変わると、生徒さんは真剣に丁寧かつ素早く正解を書くようになります。保護者の方から『自主的に学習するようになりました』『一度上がった成績は落ちにくいのでは』との感想をいただいています」
文科省の調査によると、現在正しい筆記具の持ち方が出来る人は現在1割にも満たない。しかし、その具体的な指導法や対策は普及していない。一方で、東大生の8割が正しい持ち方が出来ることから、同校は、
「採点で不正解にされない文字をスピーディーに長時間書くことができることは、大学入学共通テストから導入される記述式問題の対策だけでなく、大学入試二次試験、高校入試や中学入試でも有効です」
としている。