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SEVENTEEN、PENTAGON、NCT DREAM……“イメチェン”したK-POPグループ

2019年09月30日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

SEVENTEEN『An Ode』

 カムバックのたびに新しいコンセプトや姿を見せてくれるK-POPグループ。それでも、なかなか大きなイメージチェンジをすることは少ないように思う。そんな中で、明るくポジティブなイメージで活動してきたSEVENTEENが、今月カムバックした楽曲「毒:Fear」は、今までとは全く違うコンセプトとなった。今回は、SEVENTEENをはじめとした、ガラリとイメージチェンジをしたグループを取り上げて検証してみたい。


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■SEVENTEEN


 2015年に「Adore U」でデビューしたSEVENTEEN。今までのSEVENTEENといえば、どちらかというとポジティブで元気なイメージが強いのではないだろうか。アルバムの中には様々な要素を盛り込んだ楽曲も収録されているが、リード曲は一貫して明るい“セブチらしさ”を前面に押し出していた。


 今回のカムバック曲「毒:Fear」は、そんな“セブチらしさ”とは大きく異なるコンセプトを打ち出してきた。リリース数週間前からティーザーがネットに上がり、徐々にその姿を見せはじめた頃、ファンの中では「今までのセブチと違う」という声が聞かれた。


 9月16日に公開されたMVでは、ゴシック調の濃いめメイクをしたメンバーが、ダークな雰囲気でパフォーマンスをする。特に、プラチナブロンドのロングヘアにブルーのコンタクトをしたジョンハンが、血を思わせるようなメイクを口に這わせる姿には、ぞくっとする。


 サウンド自体は今までの“セブチらしさ”も感じられるが、ビジュアルや歌詞のコンセプトは、180度ガラッとイメージを変えてきた。果たして、SEVENTEENはこの曲を経て、どのような変化をするのか。また楽しみが増えた。


■PENTAGON


 イメージチェンジで成功したグループといえば、PENTAGONだろう。2016年に「Gorilla」でデビューした彼らは、アグレッシブでパワフルな楽曲と鋭いパフォーマンスを軸としてきた。


 メンバーのフイが『PRODUCE 101』シーズン2で使用された楽曲「Never」やWanna Oneのデビュー曲「Energetic」を共同で手がけたことで、PENTAGONは大衆の注目を浴びた。しかし、その後に発表された「Like This」や「RUNAWAY」は、大ヒットには至らなかった。


 そんな中で2018年4月に発表されたのが「SHINE」だった。この曲は、今までのPENTAGONとは全く違う姿を見せていた。メインで作曲を担当したフイのほか、同じグループのメンバーだったイドンも加わって生まれた「SHINE」は、“オタク”をコンセプトにしたゆるい雰囲気とコミカルな歌詞で、大衆から一気に注目を浴びることになり、“チャート逆走”というドラマを生んだ。


 そしてその後に出した「Naughty Boy」も、そのカラーを継続した明るくコミカルな楽曲に仕上げてきた。今年春にリリースされた「SHA LA LA」は、原点回帰とも言えるパワフルな姿を見せたが、7月にリリースされた「Humph!」では、ラッパーのGIRIBOYとコラボし、コミカルなPENAGONとしてカムバックした。


 彼らは「SHINE」で新しいカラーを見つけたのだろう。これからも新たな一面を見せてくれるかもしれない。


■NCT DREAM


 NCT DREAMはNCTから派生したサブユニットで、20歳以下のメンバーで構成されている。2015年のデビュー当時、末っ子のチソンはなんと14歳の中学生だった。NCT DREAMはメンバーが20歳(韓国年齢)を超えた時点で“卒業”という体制をとっており、実際マークは20歳を超えた2018年にNCT DREAMを“卒業”した。


 2015年に「Chewing Gum」でデビューした彼らは、若さと可愛らしさを前面に押し出していた。全員が制服のようなリボンタイをつけたシャツとハーフパンツという姿に、〈チュ・チュ・チュ・チューインガム〉と耳に残るメロディはかなりのインパクトだった。当時の平均年齢16歳というフレッシュさでなければ、できないコンセプトだっただろう。


 しかし、彼らも成長していることを考えると、どこかで“少年”の殻を破らなくてはならない。そして2018年に発表された「GO」で、彼らは少年から大人への階段を登り始めたのだ。


 この「GO」は、それまでのNCT DREAMの可愛らしいイメージとは異なる。同じくNCTの派生グループ・NCT 127のようなヘヴィで難しい楽曲に挑んでいる。彼らをデビュー当時から見続けていたファンの中には、この急な“成長”に戸惑った人もいるようだが、それは“少年時代”を持つNCT DREAMだからこその“変化”かもしれない。


 2000年生まれのメンバーが間も無く“卒業”するとも言われているが、卒業後に新しいメンバーを入れてNCT DREAMがさらなる“変化”をするのか、気になるところだ。


 グループが長年持ってきたイメージを覆し、新しい姿を見せるというのは、うまくいかなければ、今まで支持してきたファンを失うこともある。しかし、グループを長く存続するためには、新陳代謝は必要だろう。そういう意味では、タイミングやコンセプトを含め、うまくイメージチェンジをするということは、大事なことなのかもしれない。(西門香央里)