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レーザーポインターで8歳男児の網膜に小さな穴(英)

2019年09月29日 21:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

網膜に穴が開いてしまった目(画像は『Gayle Kelly Hole 2019年9月17日付Facebook「So I’m in utter shock but I’m writing this to raise awareness to all parents.」』のスクリーンショット)
年一回の眼科検診で、イギリスに住む8歳男児の左目に異常が見つかった。検査の結果、その目には小さな穴が開いていることが判明し、母親はショックで言葉を失ったという。男児の目に穴を開けたのは、トルコのホテルで売られていたおもちゃのレーザーポインターであった。『Devon Live』『Metro』などが伝えている。

イギリス南西部デヴォン州在住のゲイル・ホールさん(Gayle Hole)は8月31日、英大手メガネチェーン店「スペックセイバーズ」に8歳の息子のアルフィー君を連れて年に一回の眼科検診に出かけた。医師にアルフィー君の左目に小さな傷があることを指摘されたゲイルさんは9月17日、同州エクセターにある「ロイヤル・デボン・アンド・エクセター・ホスピタル」の眼科で再検査を受けた。

そして全ての検査が終わった4時間後、眼科医はゲイルさんにこんな質問をした。

「最近どこかに旅行に出かけませんでしたか? その時にレーザーポインターを使用しませんでしたか?」

ゲイルさんは5月に家族でトルコ旅行をしており、滞在していた五つ星ホテル「アルカナス・サイド・リゾート(Arcanus Side Resort)」の夜のキッズイベントにアルフィー君を連れて行った時のことを思い出した。そのイベント会場では10人以上の子供たちがレーザーポインターを持って走り回っており、なかには3歳~4歳くらいの小さな子もいた。またレーザーポインターは同ホテルで約1,600円(14ユーロ)で売られていたものだった。

眼科医は「レーザーポインターによってアルフィーくんの左目の網膜に小さな穴が開いてしまったのです。ここ数年で同じようなケースが3~4件ありました。レーザーポインターは今すぐ禁止すべきです。アルフィー君の場合は、緑色のレーザーがほんの数秒だけ当たったのでしょう。左目の傷は一生残りますが、視力を失わずに済んだことはラッキーだと思って下さい」と告げ、6か月後に再度視力検査をするように勧めた。

ゲイルさんはその後、アルフィー君の目の検査結果報告書を医師に書いてもらい、旅行代理店とトルコのホテルに送っている。またFacebookにトルコでの出来事を綴り、アルフィー君の目の写真を投稿し次のように訴えた。

「トルコでは至るところで危険なレーザーポインターが売られていました。きっとトルコだけではなく、他の国でも子供たちが買うことができるのでしょうね。」

「医師から息子の目の異常を聞いた時は、ショックで気分が悪くなったほどです。あの子ははまだ8歳ですから、今後のことを考えると不安が募ります。息子の目の写真を見てレーザーポインターの危険性をより多くの人に知ってもらいたいと思います。」

なおFacebookの最後には追記があり、トルコのホテルからすぐに返事があったこと、同ホテルでのレーザーポインターの販売が禁止されたことが綴られていた。

イギリスではレーザーポインターを所持することは違法ではないが、運転手やパイロットに故意に照射すると犯罪とみなされる。『Metro』によると、キーホルダーやペン型のおもちゃのレーザーポインターでも危険な光量のものがあるため注意が必要で、特に緑色や青色の光線はオレンジや赤色と比べると強力なため、目に照射すると非常に危険だという。

ちなみに2018年には、緑色のレーザーポインターで遊んでいた9歳男児が著しい視力低下を起こして医師の診察を受け、左目に黄斑円孔(眼球の内側にある網膜のもっとも重要な黄斑部に穴が空く疾患)が確認された。

画像は『Gayle Kelly Hole 2019年9月17日付Facebook「So I’m in utter shock but I’m writing this to raise awareness to all parents.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)