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「D2Cの一歩先へ」ファブリック トウキョウが新構想を発表、小売の枠に捉われない付加価値を提供

2019年09月26日 16:32  Fashionsnap.com

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(左から)「FABRIC TOKYO 新事業戦略発表会」に登壇したTakram 佐々木康弘氏 、発表会登壇した丸井グループ 青井浩代表取締役社長、FABRIC TOKYO 森雄一郎代表取締役CEO  Image by: FASHIONSNAP.COM
オンライン発のカスタムオーダーファッションレーベル「ファブリック トウキョウ(FABRIC TOKYO)」を展開するFABRIC TOKYOが9月25日、新たなビジネスモデル「RaaS(Retail as a Service)」構想を新事業戦略発表会で発表した。商品の販売で終わる従来の小売の枠を超え、アパレルにまつわるサービスや付加価値を提供するビジネスモデルへと転換を図るという。
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 RaaS構想は「D2Cの一歩先のビジネスモデル」と位置付け、顧客体験にフォーカスし、商品の販売に留まらず継続的なサービスの提供を目指す。発表会では、同日に開始したサブスクリプションサービス「FABRIC TOKYO 100(Hundred)」をはじめとする3つの取り組みを発表した。
 FABRIC TOKYO 100(Hundred)はライフスタイルの悩みをサポートするサービスで、第1弾としてスーツやスラックスなど自社製品の保証・交換・補修といった領域での価値提供を月額税込398円で行う。今後、日々のコーディネート提案や保管サービスなど内容を順次追加していく予定。顧客とブランドとのタッチポイントを増やすことで、物販とのシナジー効果を狙うという。
 2つ目の取り組みとして、同社がプロデュースするスマートファクトリー第1号の稼働を今年10月に国内で開始。工場をIT化しデータを可視化するほか、顧客が製造プロセスをスマートフォンから確認できる仕組みを構築するという。12月にはIoT技術を活用した新たな顧客体験として、コネクテッドアパレル「FABRIC TOKYO TOUCH(仮)」の実証実験を開始。RFIDタグを全ての商品に取り付けることでサイズや素材、着こなし、手入れ方法などの情報を服から入手可能となる。
 このほか3つ目の取り組みとして、大量生産・廃棄が問題視されるアパレル業界の課題解決を図るサーキュラーエコノミーモデルを始動。同日から全店舗で他社製品を含む服の回収サービスを開始し、2020年以降にアップサイクル商品の販売や、梱包梱包資材を循環型素材への変更などを行い、2023年には全商品をサステナブルな素材に切り替えるという。
 発表会に登壇したFABRIC TOKYOの森雄一郎代表取締役CEOは、新構想の発表に際し「今の世の中には、物を単純に売るのでは無く小売りをサービス化していくブランドの存在が求められている。D2Cはインターネット時代のスタンダードなブランドの運営手法であり、ファブリック トウキョウがトップランナーとして主体となり小売業界を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。
 なお、FABRIC TOKYOでは新D2Cブランド「スタンプ(STAMP)」を9月に始動。スーツを着ないクリエイティブワーカーをターゲットに設定し、デニムを中心に取り扱う。無人店舗型のブランドとして展開し、利用者はスマートフォンを使って自身で3Dスキャンを行うことで商品をカスタムオーダーできる。10月の正式ローンチに先駆けて、新宿マルイ本館では完全招待制のポップアップを開催。10月以降に実店舗の出店を予定しているほか、将来的にはデニム以外の商品の取り扱いも計画しているという。
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