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体重わずか1グラムの熱帯魚、腫瘍の摘出手術が成功(英)

2019年09月26日 05:52  Techinsight Japan

Techinsight Japan

口にカテーテルを入れられる熱帯魚(画像は『Highcroft Rabbit, Small Mammal & Exotic Vets 2019年8月30日付Facebook「Once the mass was removed the deficit if coated in waterproof gel to protect the area.」』のスクリーンショット)
犬や猫を飼っている人にとってペットは家族同然だと思う人がほとんどだが、それは魚を飼っている人にとっても同じようだ。このほどイギリスから、熱帯魚の腫瘍摘出手術が成功したという話題が届いた。執刀した獣医は「今まで手術した中で最も小さな動物」だと明かしている。『The Sun』『BreakingNews.ie』『Metro』などが伝えた。

英ブリストルにある動物病院「Highcroft Veterinary Group」で先月に行われた手術が、人々の関心を集めている。同動物病院のFacebookで先月30日に投稿された写真には、小さな熱帯魚が口からカテーテルを通されて腫瘍の摘出手術を受ける様子があった。

写真の魚は金魚にも見えるが、『BreakingNews.ie』によると体重が1グラムにも満たない“モーリー”という種類の熱帯魚で、名前もそのままモーリーとのことだ。モーリーの飼い主は近所の老夫婦からモーリーを譲り受けたがその数週間後、腹部にしこりのようなものがあることに気付き、同動物病院に連れてきたそうだ。

モーリーは腹部の外側に軟部腫瘍ができていることが分かり、摘出手術を受けることとなった。執刀したのはソーニャ・マイルズ獣医(Sonya Miles)と看護師のローラ・ウォーレンさん(Laura Warren)で、マイルズ獣医にとってモーリーは今まで手術をした中で最小の動物だったという。

魚類であるモーリーは、犬や猫などの哺乳類と違って別の方法で麻酔をかける必要があった。マイルズ獣医は「モーリーの体重は1グラム以下と小さいため、かなり慎重を要しました」と明かしている。

『Metro』によると、モーリーは麻酔液の容器に入れられて眠りについた後、身体が乾かないように濡れた手術台の上に載せられて口からカテーテルを挿入し、エラの部分に麻酔を注入しながら手術が進められたようだ。

そして腹部から腫瘍が摘出された後、犬や猫などのように縫合することができないため、アドレナリンで血管を収縮させ、粘性のある防水ペーストを上から塗布したとのことだ。

手術は40分ほどで終わり、モーリーは新鮮な酸素を含んだ水に入れられた後、麻酔から目を覚ました。そして飼い主がその日のうちに自宅に連れて帰ったそうだ。今ではモーリーはよく食べて元気に泳いでいるという。ちなみにモーリーの手術代は100ポンド(約13400円)以下で済んだそうだ。

画像は『Highcroft Rabbit, Small Mammal & Exotic Vets 2019年8月30日付Facebook「Once the mass was removed the deficit if coated in waterproof gel to protect the area.」「You can see the mass on the underside of the fish」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)