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本田翼さん、バイト無断欠勤「もう明日から来なくていいよ」とクビに 法的問題は?

2019年09月21日 09:31  弁護士ドットコム

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女優の本田翼さん(27)が、9月15日放送の「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)にゲスト出演し、10年前に寿司屋のアルバイトを無断欠勤してクビになったことを明かした。


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寿司屋で働き始めて2年後、本田さんはバイトがあることを忘れて、オーディションへ。結果的に無断欠勤となってしまった。謝ろうと店に行ったが、大将に「もう明日から来なくていいよ」と言われてしまった。



番組で大将と再会した本田さんは、当時のことを謝罪。大将は「スゴイ忙しかったときに来なかった。かわりのアルバイトに無理やり来てもらった。その人の手前もあった」と釈明。本当は怒っていなかったが、本田さんは大将の発言をそのまま受け止め、「本当に悪いことをしてしまった。顔を出しちゃいけないんだ」と思い、翌日から店にこなくなった。



大将の発言が本意でなかったにせよ、結果的に本田さんをやめさせることになってしまい、大将は「いまだに悔やんでいます」「今活躍してくれてとてもうれしい」と語っていた。



番組では「いい話」としてまとめられていたが、一般的には、バイトの解雇をめぐるトラブルは様々な場面でありそうだ。アルバイトが一度、無断欠勤しただけで、解雇することは法的に許されるのだろうか。今井俊裕弁護士に聞いた。



●一度だけの無断欠勤による解雇は、無効の可能性が高い

そもそも解雇の通告は、口頭でも問題ないのか。



「就業規則などの定めがない限り、解雇の通告は必ずしも書面で行わなければならないということはありません。また法的に判断して解雇の通告が無効であっても、それを労働者側が受け容れて離職するならば、その離職自体は有効です。いわゆる無効な解雇であっても、労働者が承認すれば有効になる余地がある、ということです」



では、解雇をめぐり、トラブルになった場合は、どう考えればいいのか。



「アルバイトとはいえ、労働者ですので、労働契約法が適用されます。ですから労働者は法令によって保護されています」



一度だけの無断欠勤でも、解雇は有効なのか。



「仮に解雇の通知をしても、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その解雇は無効になります。



欠勤の理由にもよるでしょうが、たった一日の欠勤のみで、いきなり解雇、はやはり無効となるでしょう。



もちろん一日だけの欠勤でも、それが過去に断続的にあり、かなりの回数になっていれば話は別ですが、その場合でもその頻度や回数、欠勤の理由等の総合判断になるでしょう。必ずしも解雇が有効とは限りません」



●労働審判になる場合も

もし解雇通告された場合、どうすればいいのか。



「仮にたった一日の欠勤のみで解雇通告された場合で、労働者が解雇の無効を主張するのであれば、たとえば地方裁判所へ労働審判の申立てをする、などの手続があります。



かつては仮処分の申立てなどもよくありましたが、現在は労働審判の申立てがポピュラーな手続です。



また、労働委員会において、解雇の有効性や仮に退職すると決断した場合の条件などを話し合うことも多いです」




【取材協力弁護士】
今井 俊裕(いまい・としひろ)弁護士
1999年弁護士登録。労働(使用者側)、会社法、不動産関連事件の取扱い多数。具体的かつ戦略的な方針提示がモットー。行政における個人情報保護運営審議会、開発審査会の委員を歴任。
事務所名:今井法律事務所
事務所URL:http://www.imai-lawoffice.jp/index.html