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コンプラ違反が横行するブラックな職場「とにかく売上至上主義。バレなければOK」

2019年09月19日 06:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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企業の不祥事や不正行為が明るみに出るたびに、コンプライアンス体制が問われている。法令やルールを守るのは本来当たり前のことだが、行きすぎた金儲け主義だったり間違いを放置しやすい組織体制だったりすると、知らず知らずのうちにコンプライアンス意識が低くなってしまうのかもしれない。

企業口コミサイト「キャリコネ」には、コンプライアンス違反を放置する上司や職場環境に疑問を持ち、悩む人や退職した人の口コミが多く寄せられている。

「社風は完全な体育会系。実績がすべての世界で、何をやったとしても、実績が良ければすべて正義になる。たとえコンプライアンス違反を犯していたとしても」(店長 30代前半男性 正社員 年収250万円)

指摘しても「社会人としてどうかしてる」「仕事とはそういうもの」と取り合ってもらえず

「いかに業績を上げるかが最も重要であるという売上至上主義です。そのため、社内では『ビジネスとして』という言葉が飛び交っています。新しいことを取り入れることは業界最速ですが、内情は売上のためにはコンプライアンス違反などはバレなければOKで、とにかく売上をあげれば良いという風土」(MR、30代前半、女性、正社員、年収700万円)

極端に利益が重要視される職場では、気が付いても言えない雰囲気があったり、成績を上げさせるためにパワハラが横行していたりするようだ。従業員が違反に対して麻痺してしまうケースもある。

「サービス出勤について、コンプライアンス違反だと上司に相談した事もありましたが、逆に『社会人としてどうかしてる』『仕事とはそういうものだ』などと告げられたのも辞める決断に拍車がかかりました」(コールセンタースタッフ、20代後半、男性、正社員、年収370万円)
「透明性のない人事評価と古い給与制度、横行するコンプライアンス違反、実務を理解せず現場を引っ掻き回す管理職、閉鎖的な社風、これらに耐えられなかったため退職した。求人サイトで90%以上が定年まで勤めていると謳っているが、結果的に転職できない人が多数いることの裏返しでもある」(調査・分析、20代前半、男性、正社員、年収620万円

「コンプラ遵守のための社内事務が増え四苦八苦」する職場も

コンプライアンスをどこまで徹底するかは、企業によってまったく異なる。「抑止力になっている」あるいは「社内の制度(ルール)が徹底された」という声もあれば、形式ばかりの「コンプラ遵守」を振りかざし、それが従業員を苦しめる結果となっている企業も多い。

「大手グループ会社なので、コンプライアンス遵守を非常に気にしている。それは当たり前のことだと思うが、そのために社内事務が増える一方で業務改善がなされないので、顧客に対応する時間が削られ、四苦八苦している」(不動産管理、30代後半、男性、正社員、年収650万円)
「かつてコンプライアンス違反のあった会社としての反省といえば聞こえは良いのですが、とにかく『(派遣)社員を信用しない』というスタンスは強く感じます」(生産・製造技術、50代前半、男性、正社員、年収400万円)
「とにかくコンプライアンス系のWebラーニングが多すぎる」(システム運用、20代後半、男性、その他、年収400万円)
「職場の人間関係に問題を感じる。完全に身内会社。最近コンプライアンス違反だとかうるさくなってきたけど、社員の細かい揚げ足を取る前にやるべきことがもっとあるはず」(店長、20代後半、女性、契約社員、年収240万円)

一度の不祥事で廃業に追い込まれる、会社の信用を失い経営が難しくなるといった可能性もあるため、コンプライアンス違反が横行するような会社には明るい将来はないかもしれない。とはいえ、守るための事務作業が増え、本業がおろそかになってしまうのは本末転倒だ。効率を見直して、仕事と法令遵守を両立できるよう努めてほしいものだ。