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DREAMCATCHER、ステージで示した未来の兆し “悪夢ストーリー”完結したショーケースライブ

2019年09月16日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

DREAMCATCHER(写真=草刈雅之)

 華麗なハードロックと悪夢コンセプトの融合で独自のスタイルを築いたK-POPガールズグループ・DREAMCATCHERが9月12日、東京・マイナビBLITZ赤坂で日本1stアルバム『The Beginning Of The End』リリース記念ショーケースライブを開催した。彼女たちがこれまで見せてきた悪夢にまつわるストーリーをどのようなパフォーマンスで締めくくるのか、そして新たな展開はどうなるのか。期待と不安が交差する中、注目のステージが幕を開けた。


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 ライブはドラマチックなBGMとメンバー紹介の映像でスタート。7人のメンバーがゆっくりと現れると、客席からの声援が一段と大きくなる。1曲目は「YOU AND I -Japanese ver.-」。韓国で昨年の夏にヒットしたメタル調のナンバーの日本語バージョンだ。〈何度走っても 同じ場所へ戻るの 映し出す鏡 oh oh 歪み出すミステリー〉という悪夢を連想させる歌詞はオープニングナンバーにふさわしく、ファンの熱気も最高潮に。


 続けて披露したのは、日本1stシングルの「What -Japanese ver.-」。昨年秋の日本デビュー以来、いたるところで披露してきただけに、そのステージングには余裕が感じられキレも相当良い。客席からのコールも楽曲になじんでおり、メンバーと日本のファンで一緒に作り上げた曲という印象だ。


 観客の興奮が冷めやらぬまま、トークコーナーへ。司会者から待望のフルアルバム発売の感想を聞かれると、「天使になったかのように飛んでしまいたい気分です」(スア)、「とってもときめいています」(ハンドン)、「この瞬間を待っていました」(ユヒョン)、「震えています!」(ガヒョン)と、いずれのメンバーもとても喜んでいる様子。また、リーダーのジユによると「悪夢の終わりを知らせるというメッセージを込めた」アルバムとのことだ。


 そして話題はアルバムのリードトラック「Breaking Out」に。この曲はトライバルなダンスポップと激しいギターリフを組わせた、グループならではのサウンドが楽しめるせいか、早くもファンの間で評価が高い。「すべてをぶち破って突き進むぞという思いをテーマにした曲」(シヨン)だそうだ。歌う前は「みなさんの反応がとても気になります」(ダミ)と多少心配しているようだったが、トークタイムを終えてこのナンバーを披露した途端に、客席が大きく揺れ始めた。おそらく今後の公演に欠かせない1曲になるだろう。


 DREAMCATCHERのセールスポイントはエッジの利いた音作りやダンスフォーメーションの美しさだけではない。表情豊かな歌唱も多くのファンを生む原動力となっている。それを証明するのが「また一人になった -Japanese ver.-」だ。都会の風景をバックに横一列に並んだメンバーたち。しっかりと前を向いて歌う姿からグループの明るい未来を感じ取ったファンは多かったに違いない。


 プレゼントコーナーをはさみ、ショーケースもいよいよ終盤へ突入。幻想的なSEやクールなトラックで大人のムードを演出する「Wonderland -Japanese ver.-」をじっくり聴かせたかと思えば、間髪を入れずに「Chase Me」でのアグレッシブなパフォーマンスで会場内を盛り上げる。本編の最後は日本2ndシングル「PIRI~笛を吹け~-Japanese ver.-」。熱心なファンであれば何度も観た歌とダンスであるが、いつもよりテンションが高く自信に満ちていたのは念願のアルバムリリース直後だったからだろうか。


 アンコールに用意されたのは「I Miss You」。〈二人会いましょう 夢の中〉とファンに優しく語りかけるメロウなロックナンバーを最後に、悪夢ストーリーは無事完結した。問題は次の展開だ。DREAMCATCHERが進む先に何が待ち受けているのだろうか。ファンならずとも知りたいところだが、ステージ上のスクリーンの映像ラストは薄暗い宮殿から青空へと飛んでいく一匹の蝶が映し出されるのみ。謎は深まるばかりだ。しかし、我々はその蝶の行方をひたすら追い続けるしか選択肢はないのかもしれない。とにかく今は彼女たちの「第2章」に期待しよう。(まつもとたくお)