2019年09月16日 09:41 弁護士ドットコム
教員の夫(30代)が、同僚の50代女性と不倫をしていた。相手に、すぐに慰謝料を支払わせたいーー。そんな質問が、弁護士ドットコムに寄せられた。相談者は離婚を考えているそうだ。
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相談者は「示談で相手に200万円、夫に300万円の慰謝料を考えています」という。さらに「慰謝料を支払う期日は自由なのでしょうか? 来月末でも良いですか?」と聞いている。
女性は、示談書を自分で作成しているという。慰謝料請求の場合、金額や支払い期日は自由に決められるのだろうか。分割など支払い方法を自由に設定することは可能か。伊藤真樹子弁護士に聞いた。
「不貞行為を原因とする慰謝料の金額について、いわゆる相場のようなものはありますが、それとは別に、当事者間で金額を決めて合意することは基本的に自由です」
支払いの期限や方法については、どうでしょうか。
「支払い期限についても、法律で強制的に定めているものはありませんので、当事者間で自由に定めることが可能です。分割払いの合意も有効です。支払期限は示談書を取り交わした後すぐでも構いませんし、場合によっては、示談書を取り交わすその席上で交付することもあります」
示談書で慰謝料の金額や期限を定めたのに、支払いがない場合には、どうすればいいのでしょうか。
「示談書で慰謝料の金額や支払期限を定めたにも関わらず、約束通りに支払いがない場合、法的に強制的に取り立てることは直ちには出来ません。強制執行をするためには、裁判を起こして、判決や和解などの債務名義と呼ばれるものを取得しなければなりません。
ただ、示談書を取り交わす際に、公正証書を作成し、不払いがあった場合には直ちに強制執行に服する旨を述べた条項(強制執行認諾条項)を設けておけば、裁判を起こさずとも強制執行が可能です」
【取材協力弁護士】
伊藤 真樹子(いとう・まきこ)弁護士
2008年に弁護士登録後、離婚や相続などの家事事件、債権回収などの民事事件を500件以上取り扱う。「何かあったらすぐに相談に行ける、身近な法律事務所」をモットーに法律事務所を運営。
事務所名:仙川総合法律事務所
事務所URL:http://sengawa-law.jp/