エアトリは9月10日、「少子化対策」に関する調査結果を発表した。調査は今年8月インターネット上で実施。20代~70代の男女934人から回答を得た。
少子化について危機感があるか聞いたところ、「非常に危機感を覚える」が39.9%、「やや危機感を覚える」が32.9%という結果に。7割を超える人が危機感を抱いていることが分かった。
海外の少子化対策「ドイツは大学まで授業料無料」「フランスは不妊治療費の全額支給」
少子化が加速している原因について子供あり・なしと、男女別で聞いた。すべての属性で共通して高かったのは「金銭的な補償の少なさ」だった。また、子持ち女性・子なし女性ではともに1位が「働く女性へのサポートの不足」(子持ち女性:61.3%、子なし女性:53.6%)となった。一方で、「働く女性へのサポート不足」をあげた男性は子供の有無に関わらず30%台となっており、男女間での意識の違いがみられた。
同様に男女間で差があったのが「男性の育児への協力不足」。子持ち男性の11.6%に対し、子持ち女性はその3倍近い30.4%となった。男性の育児参加はまだまだ不十分なようだ。
国が導入・実施を検討している施策で効果があると思うものについて聞いたところ、「待機児童の解消」がすべての属性において高い支持を得た。また、全体的に支持率が低かったのは「自治体や商工会議所による結婚支援」となっていた。
子持ち女性に注目すると、1位は「フレックスタイム制の弾力化、テレワークの推進」(70.8%)、2位に「待機児童の解消」(70.4%)、3位に「放課後児童クラブの拡充」(67.1%)が入った。出産後に働くための環境づくりが求められていることが窺える結果となった。
海外でも様々な少子化対策が行われている。子供の多い世帯ほど所得税が軽減される「N分N乗税制」(フランス)などがそうだ。そこで日本でも取り入れるべきだと思う海外の施策について聞いた。
子持ち女性の場合、ドイツの「大学まで授業料無料」(65.4%)が1位。子なし女性はフランスの「不妊治療費の全額支給」(54.2%)が1位となった。一方、男性の場合は子持ちの1位が、子どもを3人養育すると年金が10%加算されるフランスの「年金加算」に。子なしの1位は「N分N乗税制」となっている。
少子化への意見としては
「子育てはお金がかかるということ。養育費の補助などが手厚くないと 結局子供を産まない方が得をする社会になっている」(50代・男性・子供あり)
「国全体で育児に対する意識改革が必要だと思います。子供たちは未来の老いた自分たちを支えてくれる大切な存在であることをもっと意識することが重要です。その子供たちを育てているお母さんへ支援や補助の手がもっとあると良いと思います」(40代・女性・子供あり)
といった意見が挙げられた。他にも「お金がかかるし自分の時間が無くなって自分の人生じゃなくなっちゃうんだろうなというネガティブなイメージしかないです」など子育てにマイナスなイメージが付きがちであることがわかった。