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『ドラクエウォーク』は散歩が捗る良ゲーム? とりあえず「1章」終了まで歩いてみた

2019年09月12日 18:21  リアルサウンド

リアルサウンド

ドラゴンクエストウォーク 公式プロモーションサイトより

 スクウェア・エニックスが9月12日、位置情報ゲームアプリ『ドラゴンクエストウォーク』(ドラクエウォーク)をiOS・Android向けにリリースした。さっそく1章(10話)をクリアしてみたので、レポートをお届けしたい。


(参考:ドラクエ新作『ドラゴンクエストウォーク』、海外では『ポケモンGO』と比較した辛口な意見も


 なお、本稿は攻略や効率的なプレイを目的にしたものではなく、「プレイしてみようか」と検討中の人に向けて、所感を伝えるものであることを断っておく。また詳しくは述べないが、筆者は『テクテクテクテク』というゲームで東京23区をコンプリートしそうになった程度に「歩くゲーム」が好きなので、少し甘めな評価になっているかもしれないことも、あらかじめご了承いただきたい。


 さて、「位置情報ゲーム」とはご存じの通り、スマートフォンなどの位置登録情報、GPS機能を使い、物語を進めていくゲームだ。本作『ドラクエウォーク』では、現実世界とRPGの世界を重ね合わせ、目的地まで「歩く(ウォーク)」ことでストーリーが進んでいく。


 もっとも、いきなり隣駅まで行ってこい、とは言われない。ストーリー上の目的地は「◯◯の村」「◯◯の洞窟」など、名前だけは示されるが、場所は自分で設定できる。『ポケモンGO』でいうポケストップのように、街中いたるところに候補地があるので、「ちょっと散歩する」くらいの感覚で到達可能だ。


 目的地を設定、到着、そこでまた近くの目的地を設定……とループしながら、近所をぐるぐる回っていると、自然と物語が進んでいく。ちなみに筆者は会社も自宅も渋谷なので、手近なところで物語を進めていたら、尻込みして入ったことがない『幸せのパンケーキ 渋谷店』が教会になったり(美少女僧侶が仲間になった)、毎週末に足を運んでいるコインランドリーが『まもののすみか』になったりした。生活エリアのイメージが刷新されていくようで、なかなかおもしろい。


 さて、1章10話をクリアするということは、計10箇所の目的地に到達したということだが、1時間少々の散歩で十分にクリア可能だ。5話で仲間が増えて以降、モンスターが少々強くなっていくが、道中で敵を倒しつつ進んでいけば、難易度の低い序盤で詰まることはないだろう。そうこうしているうちに、モンスター討伐数、回復スポットタッチ数など、実績解除でどんどん「ジェム」が溜まっていくので、3000個に達したところで、10連ガチャを引くといい(いわゆる「リセマラ」は、リアルマラソンになるのでオススメしない)。


 いわゆる「ガチャ」で手に入るのは装備品で、現状の最高レアリティである星5の排出確率は7%とそれなりに高い。筆者は課金せずに自然と溜まったジェムやチケットで、「10連ガチャ」を2回まわしたが、星5の武器と防具をひとつずつ手に入れることができた。


 本格的に「強化」を視野にいれるのは少し先かもしれないが、武器や防具はレベルが上がると、基本的な性能が上がるとともに、「◯◯系モンスターに◯%追加ダメージ(あるいはダメージ軽減)」などのバフ効果がついたりするので、敵が強いと感じたら手を出してみてもよさそうだ。ときおりモンスターが落とす「こころ」も装備品となり、こちらは全体的にステータスがアップ。装備は「おすすめ」で自動的に最強にしてくれるので、面倒なことはない。


 序盤のバトルはボス戦以外、「オートバトル」で十分。回復スポットも多く、魔法を使いがちな僧侶は物理攻撃でMPが回復する仕様なので、作戦はデフォルトの「バッチリがんばれ」でしばらく大丈夫だ。ただ、僧侶がレベル10になってバギを覚えると、クリフトのザキくらい連発し始めるので、MPを回復に回したい人は、作戦を変えたり、場面に応じて自分で操作するといいだろう。


 序盤をプレイしてみて、『ドラクエウォーク』はそのタイトルが示すとおり、散歩のお供に最適なゲームだと感じた。「WALKモード」に設定しておけば、歩行中に操作しなくても、範囲内のモンスターと自動的に戦ってくれたり、回復スポットにさわってくれたりするので、危険な「歩きスマホ」をせずに済む。また、歩数に応じて「マイレージ」がたまり、有用なアイテムやガチャに使う「ふくびき券」と交換できるので、歩くモチベーションも上げてくれる。なお、メニュー画面にある「設定」から、「いつでも歩数カウント」をON(デフォルトはOFF)にしておくと、アプリを閉じていても歩数をカウントしてくれるので、忘れずに切り替えておきたい。


 筆者は今後の期待も込めて、一度課金してみることにしたが、直接的にガチャを回すのではなく、この「マイレージ」のゴールドパスを購入することにした。これで歩数によって得られるポイントが高くなる(通常、1000歩で40ポイントのところが、100ポイントと2.5倍に。加えて通常分ももらえる)。歩いて、戦わなければ、ただのお布施である。運動不足解消のモチベーションアップにちょうどいい。


 その他、「自宅」の設定&カスタマイズは『どうぶつの森』的な魅力を生む可能性があり、散歩中に見つけた家にお邪魔してフレンド登録を申し込んだ仲間とのレイドバトルも、今後の楽しみだ。ひとつ要望を出すなら、移動することができない時間もそれなりに遊べるように、モンスターが寄ってくる「においぶくろ」をゴールドかマイレージポイントで買えるようにしてほしい、というくらいだろうか。いずれにしても、本作はガンガン攻略していくというより、長く付き合いながら楽しみを見つけていくゲームだと思われる。しばらく、『ドラクエウォーク』と一緒に歩いてみたい。


(橋川良寛)