2019年09月12日 16:51 弁護士ドットコム
育児休業から復帰したあと、倉庫勤務を命じられたのは不当などとして、「アシックス」(本社:兵庫県神戸市)で働く30代男性が、同社を相手取り、不本意な配置転換の無効や慰謝料約440万円などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が9月12日、東京地裁(伊藤由紀子裁判長)であった。アシックス側は、請求の棄却を求めて争う姿勢を示した。
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この日、原告の男性が意見陳述を行い、「アシックスは外向けのパフォーマンスをもう止めてほしい」と訴えた。
男性は意見陳述で、「アシックスからの答弁書によれば、私は『協調性がない』ということで仕事を干されているということのようです。しかし、これは違います。会社の不正を正そうとした個人を潰す。そう受け止めています」と反論。
「育休の相談をすれば『奥さんが働かなきゃいかんのか?』と嫌味を言われ、育休明けに倉庫に飛ばされ肉体労働、そこで怪我をしても休ませないという異常な対応がされてきました」
最後に「今回の裁判を通して、パフォーマンスではない、真の意味での一億総活躍社会を実現するため、真実を明らかにしたいと願っております」と訴えた。
アシックス側は答弁書で、男性が2011年に入社後、協調性に乏しく業務への取り組み方に問題があったことに加え、内勤の別部署への異動を希望していたため、人事総務業務を行う部署に配転したと主張。
「男性を配属するに適した部署を探す努力を継続してきた」として、男性が主張するようなパタハラやパワハラとは「一切関係がない事案」と反論した。
(男性の訴えの詳細はこちら→アシックス男性社員「パタハラ」で提訴 育休明け倉庫勤務「圧力であり、見せしめ」https://www.bengo4.com/c_23/n_9816/ )