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田村保乃、松田里奈ら2期生も選抜入り ”新しい欅坂46”による9thシングルフォーメーションを分析

2019年09月11日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

欅坂46『黒い羊』(通常盤)

 欅坂46の9枚目シングルの発売決定に伴い、9月8日深夜に放送された冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)にて選抜が発表された。初の選抜制度が導入され、選ばれたのは1期~2期生含めた17名。その人選とポジションが波紋を呼んでいる。


(関連:欅坂46 小池美波、グループのアイドル面を担う重要な存在に ソロ写真集『青春の瓶詰め』への期待


 欅坂46はこれまで、ひとりも欠けることのない”全員選抜”を貫いてきた。ただし、1stシングル曲「サイレントマジョリティー」は遅れて加入した長濱ねるを除く20名の選抜であったことや、2期生が加入した後の8thシングル曲「黒い羊」は1期生のみの17名選抜であったことを考えれば、実際は”1期生選抜”であったと考えるべきだろう。


 つまり、今回の選抜は現在所属している1期生の17名という枠を、2期生の数名が押し退けた形となる。それゆえ、選抜の結果に戸惑うファンも多く、運営の判断に賛否両論が巻き起こっている。列島に台風が直撃したこの日、”新しい欅坂46”の発表にまさに大荒れの一夜となった。


<9thシングルフォーメーション>
後列:土生瑞穂・渡辺梨加・井上梨名・原田葵・関有美子・上村莉菜・藤吉夏鈴
中列:武元唯衣・菅井友香・森田ひかる・守屋茜・佐藤詩織
前列:小林由依・松田里奈・平手友梨奈(センター)・田村保乃・渡邉理佐


●打ち出した”新しい欅坂46”
 デビュー作から一貫してセンターに立ち続けている平手は、今作でもセンターポジションを維持した。怪我で離脱することも多いが、彼女なくして欅坂46は語れない域にまで達している。女優業などアイドルの枠を超えた活動を軸に、今後もグループを牽引していくだろう。


 そして、”新しい欅坂46”を象徴するのが今回7名が選ばれた2期生たちだ。彼女たちは昨年加入したばかりでありながら、今年に入ってから数多くのイベントに出演し着実に力を付けている。これまでの成長を見た上で、期待値込みの抜擢といったところか。


 特に、平手の両脇に位置する田村と松田は、すでに多くの仕事を任される期待の新人だ。先日SHOWROOMにて配信された『欅共和国2019開催直前スペシャル』でも、1期生に混じり安定感のある進行を見せていた。松田は社会人経験もある”しっかり者”で、すでに2期生のまとめ役的存在にもなっている。物怖じしない明るい性格でグループに新しい風を吹き込むだろう。


 一方の田村についても、7月10日に行われた東京ヤクルトスワローズと横浜DeNAベイスターズ戦の始球式を菅井とともに務めたり、音楽ゲームアプリ『UNI’S ON AIR』の詳細発表の配信でも菅井と守屋とともに出演するなど、グループの顔としての役目を任されている。こうした”小さな選抜”を勝ち取ってきた彼女たちだからこそ、前列の重要なポジションに立てているのだろう。


●四隅は全員160cm超えの長身揃い、中列はシンメ構成
 テレビ披露時に重要となるのが、カメラがステージ全体を映した際に視聴者に強く印象を残す「前列の両端」と「後列の両端」の4箇所だ。今回はそのポジションを小林、渡邉、土生、藤吉の4名が担当する。全員160cm超えの長身揃いで、フォーメーション全体のバランスが重視されていると言えそうだ。2期生の藤吉を除けば3人ともファッション誌の専属モデルということもあり、総合的な評価が下されたと予想する。


 1列目の常連であった渡邉は今作で前列に復帰し、5thシングル曲「風に吹かれても」から常に前列に立っていた小林は今作でもフロントポジションをキープした。両者ともスタッフ側の高い評価がうかがえる結果だ。


 また、アイドルグループにおけるファンの楽しみ方のひとつとして”シンメ”という概念がある。役職や仲の良さなどから”対”になる関係性のことだ。中列における明らかなシンメ構成として見て取れるのが菅井と守屋の二人である。お嬢様キャラでお馴染みの二人でありながら、グループをまとめるキャプテンと副キャプテンという関係でもある彼女たち。”新しい欅坂46”と言えども、彼女たちの関係性は必要不可欠のようだ。


 さらに、パフォーマンス面で評価されている中列両端の佐藤と武元は、『欅って、書けない?』の企画「1期と2期フィーリングカップル」で両想いとなった二人である。今後、こうした関係性が選抜争いやフォーメーションの構成に関わってくるのかもしれない。


●選抜落ちは9名
 ダンス面を担う重要なメンバーのひとりであった鈴本美愉は選抜落ちという結果に終わった。また、1列目の経験も少なくなかった小池美波も選考から漏れた。小池は個人写真集『青春の瓶詰め』が発売間近とあって、選抜落ちは意外な結果として受け取られている。曲によっては代理でセンターに立つ二人でもあるので、今後の起用に注目が集まるだろう。


 他にも、ダンスリーダー的存在の齋藤冬優花や最年少の山﨑天など、選外に注目メンバーは多い。加えて、放送前日の7日には「坂道研修生」のオフィシャルサイトも公開されている。選抜の枠をめぐる競争は熾烈をきわめるだろう。


 がらりと顔ぶれが変化した今回のシングル選抜。今回、新しく8名が選抜入りし、9名が選抜から漏れた。選抜から漏れたメンバーは決して見捨てられたわけではない。もし、今回のシングル発売でグループとして期待する結果が得られなければ、次にチャンスが回ってくるのは彼女たちだ。(荻原梓)