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山口智子との7年越しの再会を果たす 『なつぞら』亜矢美の次なる夢は?

2019年09月11日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『なつぞら』(写真提供=NHK)

 なつ(広瀬すず)たちは偶然、北海道で亜矢美(山口智子)と再会する。十勝でのロケハンから東京に帰ったなつは、そのことを咲太郎(岡田将生)に報告した。『なつぞら』(NHK総合)第141話では亜矢美との再会が描かれた。


 東京に帰ってきたなつたち。咲太郎の家では北海道で亜矢美と再会した一連の出来事を咲太郎に報告する。亜矢美は、雪次郎(山田裕貴)に会うために雪月を訪れたのだった。そこに偶然居合わせたなつに亜矢美も驚く。そして、当時のような明るい振る舞いでみんなに挨拶をし、近況を聞くのであった。


【写真】なつ(広瀬すず)と亜矢美(山口智子)


 亜矢美の登場で場はすっかり明るくなる。亜矢美は自身を「フーテンの亜矢美」と称し、九州は鹿児島から7年かけて北上し帯広にたどり着いたと話した。そして資金が貯まったら、また新宿にお店を出すつもりだという。


 咲太郎は母代わりであった亜矢美の無事を知り、喜ぶ。そして新宿に戻ってくるまでをもどかしいというような表情を浮かべるのであった。7年という年月は、親子のような関係であった亜矢美と咲太郎がそれぞれ自立していくのに必要な時間だったのだろう。


 マコプロでのなつは、さっそく新作のキャラクター作成に取り掛かる。なつは、ソラという役を作り出すのに苦戦していた。描いてから一久(中川大志)に見せるも、「可愛らしさがない」と一蹴されてしまう。それはまるで、『神をつかんだ少年クリフ』を制作していた頃の二人を見ているようだった。しかし今回は、マコプロのみんながそれぞれで意見を出し合う。そして一久も「日常的な人間の表情を捉えたい」「人間が生活する上での細かい心の動きを大切に感じさせたい」と話すなど、具体的な自身の考えを伝えるのであった。


 かつてなら言葉にできないことが山ほどあったであろう一久が、こうしてなつに具体的な指示を出すことで、年月の経過と一久の成長が感じられた。最終的には「ソラの戸惑いや期待感を描いて欲しい」「表情からソラを捉えろ」となつに期待を込めてフィードバックするのであった。


 それでも戸惑い、ソラのキャラクターに悩むなつであったが、そこで下山(川島明)がアドバイスとして、十勝で優(増田光桜)を描いたスケッチブックを渡す。それがなつにはとても大きな力になった。なつは「忘れてました、こういう気持ちを」と話し、さっそく「やってみよう」と前向きになるのであった。


 亜矢美との再会や、新たなアニメーションの制作で思い出すのは、風車での日々と『神をつかんだ少年クリフ』に捧げた日々だ。奇しくもマコプロには当時の制作メンバーがずらりといる。しかし今回の作品は、以前とは違う。一久の口ぶりや、仲間たちの頼もしいアドバイスは、なつたちの新作に期待を抱かせた。


(Nana Numoto)