F1第14戦イタリアGP決勝レースのレッドブル・ホンダは、スタートから荒れた。スペック4を投入し、今シーズン4基目のパワーユニット(PU/エンジン)を使用したマックス・フェルスタッペンは、19番手からスタート。ところが、スタート直後の1コーナーでのブレーキングで「全員が一気に減速したため、セルジオ(・ペレス)のリヤタイヤと接触。フロントウイングにダメージを負ったフェルスタッペンは、1周目にピットインを余儀なくされた。
このピットインで最後方まで落ちたフェルスタッペンだが、前車との間隔が空いた状態では「かなりのペースで走ることができた」と田辺豊治F1テクニカルディレクターが振り返ったように、フェルスタッペンは前との差を着実に詰め、さらにオーバーテイクを披露した。
ところが、ここで再び、パワーロスという症状に悩まされる。
「フェルスタッペンに出たパワーロスは、土曜日の予選で出たトラブルと同一事象でしたが、今回は非常に短い時間だったため、すぐに回復しました。これはFIAが管理している部分なので、それを逃げることは違法になります。ただ、今後に向けて、なんらかの対応は考えていかなければならないです」(田辺TD)
アレクサンダー・アルボンは積極的なバトルが裏目に
一方、8番手からスタートしたアレクサンダー・アルボンは、スタート自体は悪くなかったが、序盤戦のカルロス・サインツJr.(マクラーレン)とのポジション争いでコースを外れ、11番手まで後退してしまう。その後、失ったポジションを取り返そうと、第2シケインでのケビン・マグヌッセン(ハース)とのブレーキング競争で思わず止まりきれず、結果的にシケインをショートカットしたために、5秒ペナルティを受けてしまう。これによって再び12番手まで後退してしまった。
それでも、ピットインするまでは快調にポジションをアップしていく。ところが26周目にピットインした後、33周目にアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)を33周目にオーバーテイクしたが、その後はニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)をなかなか抜けず、イタリアGPを6位で終えた。
フェルスタッペンも、レース終盤、レーシング・ポイントのセルジオ・ペレスをなかなか抜けず、最終的に8位でフィニッシュした。この結果は、ドライバーやチームだけでなく、ホンダも納得はしていない。
とはいえ、フェルスタッペンは19番手からのスタートし、さらに1周目の1コーナーで起きた事故のことを考えると、8位でレースを終えることができたのは決して悪い内容のレースではなかった。それは「押さえ込まれてなければ、かなり良いペースで走ることができていました」と田辺TDも認めている。
内容的には満足の行くものではなかったが、パワーサーキットのモンツァでレッドブル・ホンダは2台そろって入賞。F1に復帰して以降、苦手だと思われたモンツァでのダブル入賞は、次に繋がる走りだったと言える。