2019年09月09日 08:01 リアルサウンド
映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』が9月6日から公開中だ。『週刊ヤングジャンプ』にて連載中の赤坂アカの同名コミックを実写映画化した本作では、将来を期待されたエリートたちが集う私立・秀知院学園を舞台に、互いに惹かれ合うも高すぎるプライドが邪魔をして告白できずにいる生徒会会長・白銀御行と、生徒会副会長・四宮かぐやの超高度な恋愛頭脳戦が描かれる。
参考:橋本環奈が語る、『斉木楠雄のΨ難』振り切れた演技の秘訣 「自分のなかで上限を決めないこと」
今回リアルサウンド映画部では、生徒会副会長・四宮かぐやを演じた橋本環奈、生徒会書記・藤原千花を演じた浅川梨奈、四宮家に仕える近待・早坂愛を演じた堀田真由による鼎談を企画。撮影時のエピソードからそれぞれの印象まで、じっくりと語り合ってもらった。
ーーすごく仲のいい雰囲気が伝わってきますが、改めて撮影を振り返っていかがですか?
橋本環奈(以下、橋本):楽しかったです。振り返ると、撮影期間はそんなに長くはなくて、一緒のシーンも意外と少なかったんです。それこそ、真由とのシーンも少なかったよね。生徒会選挙の時ぐらいかな?
堀田真由(以下、堀田):うん、講堂のね。
橋本:あのシーンは1階の壇上や客席、2階の客席にみんなが散らばっていたので、カット割りが結構多かったんです。なので、撮影もあのシーンだけで2日間かかるぐらい大変でした。待ち時間も長かったので、その時にキャストみんなでたくさん喋りました。
浅川梨奈(以下、浅川):待ち時間、楽しかったね。
堀田:いっぱい喋ってた!
橋本:うん、楽しかった。
堀田:みんな控え室が一緒だったんだよね。
浅川:そうそう! みんなでゲームやったりとか、あと今の所持金がいくらかみたいな話もしてたよね?(笑)
橋本・堀田:やってた!
浅川:そういうよく分からないことでずっと盛り上がっていました(笑)。
ーー控え室が一緒だったり待ち時間が長かったりしたおかげで、キャストの中で結束力が高まっていったところもあったのでは?
浅川:そうですね。オールアップの日、3人で原宿にクレープ食べに行ったもんね。
橋本・堀田:行った!
橋本:みんながアップした後、私はまだ夜から撮影があったんだけど、その間にハンバーガーも食べたよね。
堀田・浅川:食べた食べた!
橋本:ハンバーガー食べて、クレープ食べて(笑)。
浅川:“イェーイ!”みたいなことを3人で原宿でやりました(笑)。
ーー大騒ぎになりませんでしたか?
橋本・浅川・堀田:全然!
橋本:本当に全然気づかれないんですよ。
浅川:私たち、向こうから信号を渡ってくる環ちゃんを見ながら、「橋本環奈が原宿を歩いてる!」って言ってたよね(笑)。
堀田:言ってた、言ってた(笑)。
橋本:ラフォーレ前で待ち合わせしてた時ね(笑)。
ーー撮影に入る前と後とで、それぞれお互いの印象は変わりましたか?
橋本:どうだろう……。私はあまり変わらないかな。もちろん2人とも名前は知ってたんですけど、お会いしたことはなくて、共演も今回が初めてだったんです。ただ、梨奈が私のことを好きだということは前々からネット上で拝見しておりまして……。で、実際に会って「こいつはヤバい女だ」って密かに思ってました。
浅川:ははは(笑)。最初から最後までヤバい女?
橋本:うん(笑)。
浅川:環ちゃんはずっと好きだったっていうのもあるんですけど、いろんなスタッフさんから「あの子は明るいしおもしろい子だよ」っていうのをずっと聞いていたんです。実際に会って、一番最初に喋った時から、「この人は最高だ!」って(笑)。しかも、お芝居とかお仕事の場になると、ちゃんとスイッチを入れてバシッと決めるので、本当にカッコいいんですよね。あと、いつ見ても顔がかわいい。
橋本:はははは!(笑) そんなことを毎日言うんですよ! なんか毎日あぶない人に会ってるような感覚で(笑)。
浅川:だってブサイクな日がないんですよ!
橋本:あるわ!(笑)
堀田:朝すっぴんで「おはようございまーす」って入ってきた時もかわいい。
橋本:うそ? ほんとに? まあそうだと思う(笑)。
浅川:ああ、認めちゃった!(笑) 認めちゃったけど、橋本環奈にそれを言われたらそうだとしか言えない。「そうだそうだ!」って。
橋本:(笑)。いやもうね、梨奈は思考がおかしいんですよね。1人だけファンが紛れ込んでるのかなって日々思ってました。
浅川:異論はないです(笑)。真由は、めっちゃ女子力高そうだなっていうイメージがあった。
橋本:わかりみ~!
堀田:はははは!
浅川:で、実際にそうだったんです。まあ女子力高いし、発言もかわいいし、ほんとに明るくて女の子らしい。そしてなにより私服がオシャレすぎて。
橋本:本当にオシャレ!
堀田:わあ、嬉しい!
浅川:なんか「芸能人歩いてます」ってオーラがめちゃめちゃするんです。真由みたいになったらモテると思うので、真由みたいな女の子になりたいんですけど、180度違うのでうらやましいです。
橋本:ずっと言ってたよね、それ。
浅川:そう、真由になりたい!
堀田:えー、嬉しい。「どうしたらモテる?」ってずっと聞いてきて……。
橋本:私もよく聞かれた!
浅川:その話はやめて!(笑)
堀田:「黒い服着れば?」って言った。
浅川:そう、だから最近黒い服着てるの! 今日も黒だし(笑)。
橋本:それは安直だと思う(笑)。真由が言ってること全部理解しきれてないんじゃない?
浅川:おかしいな~。真由のインスタとか見ながら、「こういう服かー」って勉強したんだけど。
堀田:あ、ほんとに!?
橋本:ちゃんと学んでるじゃん!
浅川:そうだよ! 真由はほんとに女の子として尊敬してる。イメージが変わったことで言うと、思ってたよりも女性らしかったところ。かわいいイメージがあったんだけど、すごく女性らしいところもあるんだなって。
堀田:「女性らしい」って初めて言われた。
橋本:「女性らしい」かぁ……。違うと思います!
堀田:ははははは!
浅川:あれ? スタッフさんがみんな「うんうん」って言ってる……。
橋本:女性らしいんじゃなくて、男性っぽさがあって、それがほどよいのよ。だからモテんのよ。女っぽすぎるのはダメなのよ!
浅川:なるほどね!
橋本:あなたはパッと見男っぽいんだけど、中身がすごい女なんだ。梨奈わかるかな?(笑)
浅川:うん、そうだな。わかるわかる。
橋本:服装も結構ガーリーなんですよ。童顔巨乳のスタイルを活かしてる感じ。
堀田:そうだね、ガーリーだね。
浅川:もうね、玉砕。
橋本:梨奈は、すぐに自虐に走るんですよ。面白いのが一番だと思ってる。たぶんそこを抑えたらモテると思うんです。なのに、あえて面白い方を取りにいっちゃって。
浅川:ウィー! 橋本環奈に勝てないです!
一同:(爆笑)
橋本:でも、梨奈と真由には共通する部分があって、2人ともめちゃくちゃ明るいんです。本当に“陽”な感じで、底抜けの明るさがある。だから、すごくフランクに話し合えるんですよね。私も含めてそうだから、仲良くなるのもわりと早かったんだと思います。
ーー堀田さんはどうでしたか?
堀田:環奈は、一番最初に会った時の「こんなに顔が整ってる人がいるのか」っていう衝撃が本当にすごかったです。最初はクール系、ちょっととがってるのかなって思ってたんですけど、全然そんなんじゃなくて。
橋本:それみんなに言われる! 今日からとがっていこうかな(笑)。
浅川:数秒で終わるからやめた方がいいよ!
橋本:そうなのよ(笑)。
堀田:そうそう(笑)。すぐこんな感じになるんです。私が演じた早坂も、環奈が演じるかぐやに関わっていく役だったので、すごくやりやすい部分もありました。
橋本:たしかに!
堀田:で、梨奈は……(浅川を見て)そうね。
浅川:あ、終わっちゃった! 私の顔を見て、「そうね」で終わっちゃった。
橋本:浅川はね、ほんと想像通りなのよ。
堀田:想像通りですね。ほんとそのまま。
浅川:言うことが特にないと……。
橋本:だからそういうところなのよ! ほんとね、すぐ自虐に持っていくじゃん。自分でオチを作ろうとするな!
浅川:あはは! 勝てないー!
堀田:(笑)。ほんとに2人ともずっとこんな感じなので、そこがもう素敵ですね。
ーー今回皆さん非常に個性的なキャラクターをそれぞれ演じていましたけど、役作りで意識したポイントなどはありますか?
橋本:四宮かぐやは、すごく気品に溢れてるキャラクターです。勉強だけではなく、幼い頃から全部習っていて、文武両道。何でもできるキャラクターって、わりと想像しがたいじゃないですか。総資産2兆円って言われても全然想像できる数字ではないので、だからこそ突き抜けてていいのかなと。白銀と映画を観に行くシーンでチケットの買い方がわからないという部分もそうでしたけど、普通の人とは違う感覚や、当たり前のことをかぐやの基準で考えるというのは常に考えていました。あとは、喋り方をゆっくりしたり、余裕がある女の子というのも意識しました。
堀田:早坂は、かぐや様に仕えている役だったので、学校のメンバーとはまたちょっと違う立ち位置でした。かぐや様と昔からずっと一緒にいるという距離感はすごく大事にしたかったので、そういう仕草だったり、笑顔を見せるタイミングをどこに持っていくかはずっと考えていました。あと、使用人ということなので、セリフは抑揚をつけずに、業務的に言わなければいけなかったんです。長いセリフも感情を込めずに言うのが若干難しかったですね。カラコンもこの作品で初めて入れました!
橋本:そう! 青いカラコンつけてたね!
堀田:まばたきとかしないように、できるだけ強く見せたいなと思って。だから、物理的にしんどかったっていうのもありました。
橋本:それ気づいてた! 「まばたきないなぁ」って。
堀田:あ、ほんとに? 私普段すごくまばたきが多いのよ。だからこそ、すごく気をつけました。
浅川:藤原千花は、原作でも一番人気のキャラクターだったので、どうしようっていうプレッシャーもすごく大きかったんです。白銀とかぐやの恋愛頭脳戦に気づかずに、その場をかき乱すようなことや突拍子もないことを言う、空気が読めない部分が千花にはあって、ちょっとあざとくてかわいい、ふわふわしたお花畑みたいな女の子。要素がもう二次元なんです。その要素を、いかに三次元に持っていくかというのが、すごく大変でした。あと、普段とは違う声のチューニング。地声と交ざっちゃって変な声になったり、地声に戻っちゃったりすることが結構多くて苦戦しました。
橋本:そもそもそんなに声が高い方じゃないもんね。それであの高い声を出すから、たまにおじさんみたいな声が聞こえてきて(笑)。しかもわりと長いセリフの間にそれを出してくるから、もうおもしろくておもしろくて、平野くんと佐野くんと3人でずっと笑っていました。
浅川:やっちゃったなって思いましたね(笑)。本番中に耐えられなくなっちゃった。
橋本:めっちゃおもしろかったもん! 確実に今回のトラブルメーカーですね。
浅川:1日に1回はなんかやってた気がする(笑)。
ーーでは最後に映画のタイトルに絡んだ質問を。皆さんは“告りたい派”ですか? それとも“告られたい派”ですか?
橋本:私は“告りたい派”です。告らせたいって、プライドが高くないと言えないんじゃないかと思います。自分のことをモテるというか、いい女だと思っていないと、“告らせたい”っていう感覚にならないんじゃないかなと。“告らせたい”じゃなくて、“告られたい”って人は結構いると思いますけどね。2人は?
浅川:私も“告りたい派”ですね。
堀田:私もです。
浅川:告られたいんですけど、告られないから告っちゃうんですよ。
橋本・堀田:あははは!(笑)
浅川:私はそういうタイプです……。
橋本:誰かフォローしてあげて! (『銀魂』の神楽風に)ソンナコトナイヨ!
浅川:いや、作品違うから!(笑)。(取材・文=宮川翔)