過酷な勤務を前に「いっそのこと労基署に掛け合ってみよう」と思ってみても、実際に行動するには勇気がいるものだ。しかも、せっかく重い腰を上げたのに、労基署で相手にされなかった人もいる。キャリコネニュース読者から寄せられた、ブラック企業で働く人の、やり場のない怒りを紹介する。
管理・事務職の30代女性は、以前の勤め先が最悪な職場だったという。父の入院にあたり、時短勤務を申し出たところ「迷惑なので直ぐにやめろ」と女性上司から圧力をかけられた。
当時の勤務体系は過酷で、「車で1時間半かけて8時に出勤し、帰宅は夜中の2時、朝は6時に起きなければならなかった」。結局は2時間しか睡眠できずに体調を崩して辞めたが、相談した労基が地方ということもあってか「『仕方ないんだよねえ。仕事があるだけマシでしょ!田舎だし!』で終わり」と踏んだり蹴ったりの始末だ。
「会長の気分で、男女で休日数が違う。タイムカードは定時前に勝手にきられている」
40代男性が勤める葬儀社もシビアだ。40人足らずの会社だが、この4年間で70人が退職した。
「月に15泊前後の夜勤があり、その手当は1回4000円のみで残業代も出ない。そのうえ日勤と夜勤が交互に続く連泊勤務は当たり前。上司に労働基準法のことを相談しても『守っていたら会社が潰れる』と開き直られる。客にも当然、真摯な対応は一切ない」
ブラックな実態はそれだけにとどまらない。
「上層部で不正が横行しているため、社内のお金の流れが不透明。また、男女での待遇の違いがある。その理由は会長の気分で、男性が月6日、女性は月8日の休みとか。減給や歩合の変更も勝手に行われる。タイムカードはなぜか定時前に勝手にきられている」
男性は、「このまま勤めていると、世の中の常識が何なのか良くわからなくなってしまう」とやり切れない気持ちを残している。
「有休使用不可、労災申請もできない」労基署に相談も忙しさ理由にあしらわれる
40代女性は以前の職場で、正社員の求人に応募したのに、契約社員として採用されていた。しかも10年間、何の説明もなかったという。女性は無期限採用だったにも関わらず、契約更新の際に、転勤したての上司からパートにされるパワハラも受けた。労基署に相談したが、「話を聞くだけで忙しい」と民間のユニオンを紹介されただけだった。
「もともと10時~19時45分の勤務時間で、休憩時間を除く実質7時間プラス残業しか付けられない長時間労働、4週6休、有休使用不可、労災申請もできないブラック企業でした」
それでも入社当時は優良企業だったという。同業企業に身売りされてから違法な労働環境に変わっていった。女性は勤続18年で見切りをつけて退職した。
ほかには、
「労働基準法違反を上司に指摘すると開き直って挑発してきて、翌日には『和を乱す』という訳の分からない理由でクビ。現場の人間は全員ゾンビのような有様だったので逆にラッキーだったと思う」(20代男性、技術職)
といったエピソードも寄せられた。
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