9月8日に行われた2019年スーパーGT第6戦オートポリスの決勝レース。300kmの戦いを終えて、シーズン初優勝を飾ったDENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンと中山雄一が優勝の喜びを語った。
DENSO KOBELCO SARD LC500
ヘイキ・コバライネン
「とにかくうれしいよ。最後に勝ってからかなりの時間が経っているからね。今シーズンはタフな戦いが続いている。前回の(第5戦)富士でもポディウムに上がるチャンスがあったけど、自分のミスでそれを逃してしまった。悔しかったけれど、そのミスを挽回できたからうれしいよ」
「今週末は走り始めからクルマのフィーリングが良くて、予選でもいい感覚をつかんでいたから、好成績が残せると思っていたんだ。今日の天気は2016年の(第4戦)SUGOを思わせる“クレイジー”な天候だったね」
「レースではミスをしないよう、雨が降っている間は特に注意深く走っていた。ドライコンディションではクルマのパフォーマンスが良くて、自分のスティントはエンジョイできたよ」
「(セカンドスティントの)ナカヤマさん(中山雄一)は素晴らしい仕事をしてくれた。ホンダ(KEIHIN NSX-GT)が近づいてきた時はドキドキしたけど『問題ない』と無線がきて安心したよ」
「シリーズ終盤戦も勝ちを狙っていくよ。まだ改善するべきところもあるけれど、今週末はいいパフォーマンスを発揮できた。また、ナカヤマさんの努力はなかなか表には見えづらいかもしれないけど、本当に努力していてGT500初年度とは思えないパフォーマンスを発揮している。彼の努力がもっと認めてもらえるようなレースがしたいね」
「SARDのスタッフひとりひとりも、ベストを尽くしてくれていることを強調したい。僕自信もまだまだ向上する余地があると思っているから努力を続けるよ」
「今日のように、スーパーGTでは本当にいろいろなことが起こる。いままでチャンピオンのことは頭になかったけど、いまや僕たちはランキング3位だ。第7戦SUGOと最終戦もてぎでも、シーズン前半よりはいいパフォーマンスが出せると願っている。前半戦は苦戦を強いられたからね」
中山雄一
「今シーズンはレクサス勢の調子が良い状況が続くなか、SARDとしては思うような結果が出せず、何が足りないのかを考えながら戦う難しいレースが続きました。ヘイキ(コバライネン)さんとしっかりコミュニケーションをとり、エンジニアとも話しあってクルマをどういう方向性にしていくべきか議論してきました」
「今回は、普通GT500クラスではしないような大幅なセッティング変更をしたところ、セッティングの方向性がどんどんオートポリスにマッチしていきました。予選では第2戦富士以来にQ1を突破できました。クルマのパフォーマンスが上がっていて、やってきたことがすべてうまく進んでいるなと思いましたね」
「レースの第1スティントは雨が降るなかをスリックタイヤで走らなければいけない難しい状況で、ヘイキさんは特に力を発揮してくれます。コールドタイヤでも速さを発揮してくれますよね。ヘイキさんの力で攻めの作戦が取れるような順位まで上がってくれました」
「田中耕太郎エンジニアの作戦としても、これ以上ないベストなタイミングでピットインすることができ、レインタイヤへ交換することができました」
「(ピットした時は)どんどんクルマが入ってきて混雑していき、何年か前のSUGO(2015年第6戦)と似た雰囲気になりました。(ピットで停止中)前のZENT(CERUMO LC500)と交錯するような状況にもなって、危なかったですがなんとか切り抜けることができました」
「そういった混乱した状況でも百戦錬磨のSARDメカニックたちがしっかりコースに送り出してくれました」
「レース終盤はダンプコンディションでレインタイヤでも難しい状況でしたが、これまでGT300でもブリヂストンタイヤを履いてダンプコンディションを戦った経験があり『このタイヤフィーリングなら、これくらいは保つだろう』というノウハウがあったので、その経験をGT500でもしっかり活かすことができました」
「そういう意味では“下積み”が長かったですけど、それが活きたなと感じています」
「今回優勝したことでチャンピオンに手が届く位置につけています。最後にSARDがチャンピオンを獲得した2016年も終盤2戦で逆転しましたから、僕たちはここぞというときの爆発力があるチームだと感じています。今回もその爆発力が結果として出たレースです」
「今回のセットアップがいい方向に進んでいるので、第7戦SUGO、最終戦もてぎもシンプルなマシンパフォーマンスで戦えるのではないかと思っています。デビューイヤーで優勝することができうれしいですし、このままチャンピオンに向けて戦っていきたいですね」