9月7日現地時間午後3時、F1第14戦イタリアGP予選が行なわれ、フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはQ1走行中にトラブルが発生しタイム計測できず、アレクサンダー・アルボンは8番手に入っている。金曜は雨まじりとなったがこの日は朝から晴天に恵まれてドライコンディションでの予選となった。気温は21度、路面温度は33度というコンディション。
フェルスタッペン、ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)、ランド・ノリス(マクラーレン)はパワーユニット(PU/エンジン)投入により最後尾スタートのペナルティが決まっているためQ2以降の本格的な走行は行なわない予定となっている。
ここ数戦の予選アタック直前の渋滞がイタリアGP金曜のFIA F3予選でも見られ混乱を招いたことから、レースディレクターはセッション後やレコノサンスラップに対して義務づけられる「両SCライン間を1分45秒000以内で走らなければならない」というルールを予選全体に義務づけることとした。
そしてF3のレースで大事故の原因となったパラボリカのはみ出し防止のためのソーセージ縁石は取り除き、4輪が完全に白線からはみ出た場合はその周と次の周も含めてラップタイムを削除するというルールを引き続き適用することとした。
Q1はフェラーリ勢がミディアムタイヤを履いた以外は残りの全チームがソフトタイヤでアタックを開始し、チームメイト同士でトウを使い合おうと編隊走行をする場面も各所で見られた。
ミディアムにもかかわらずルクレールは1分20秒126でトップに立ち、2番手には0,029秒差でルノーのニコ・ヒュルケンベルグ。メルセデスAMG勢は0.030秒差と0.146秒差で3番手・4番手につけて5番手ダニエル・リカルド(ルノー)を挟んでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は0.252秒差の6番手に留まる。アルボンはベストタイムがパラボリカのトラックリミット違反で削除されたものの7番手に留まった。
フェルスタッペンは12分待ってからコースインするが、ほぼ同時にセルジオ・ペレス(レーシングポイント)がパワーユニットの不調と思われる症状でクルバグランデにマシンを止め、セッションは赤旗中断となってしまった。
3時17分にセッションは再開。フェルスタッペンは先頭でアタックに入っていくが「タイヤが熱すぎる!」と訴えながらアタックに入った直後にターン2立ち上がりで「ノーパワー」と訴えてバックオフしアタックを断念。ノータイムのまま最下位で予選を終えた。
これでフェルスタッペン、ウイリアムズの2台が18番手・19番手、トラブルのペレスが17番手、そしてハースのロマン・グロージャンが16番手でQ1敗退となった。トップから16番手グロージャンまでが0,658秒差、10番手ケビン・マグヌッセン(ハース)から16番手グロージャンまでは0.168秒差という大接戦となった。
3時28分にQ2開始。ここでは決勝のスタートタイヤを見越して全車がソフトタイヤを履いてアタックに入る。ここでもトップに立ったのはルクレールで1分18秒553。1回目のアタックではルイス・ハミルトン(メルセデス)、ベッテル、リカルド、バルテリ・ボッタス(メルセデス)と続きアルボンは0.468秒差の6番手。キミ・ライコネン(アルファロメオ)はレズモの1つ目でリヤが流れてコースオフを喫してしまった。
残り2分で各車が2回目のランに出るが、フェルスタッペンの援護射撃が使えないアルボンはここで先頭をいく。トロロッソ・ホンダ勢もスリップを使わせることはせずに単独でアタックしダニール・クビアト13番手、すでにペナルティが決まっているガスリーは15番手でQ2敗退。Q3進出を逃したクビアトは「なんてこった!」と不満を露わにする。同じくペナルティが決まっているノリスも14番手でQ2敗退となり、アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは僚友ライコネンの0.002秒差で11番手となり地元でQ3進出を逃した。12番手にはマグヌッセンが入っている。
好調のルノー勢が4番手・8番手、ノリスのスリップストリームを使ったカルロス・サインツJr.が7番手、ランス・ストロール(レーシングポイント)が9番手、ライコネンが10番手でQ3進出を決めた。なお、2回目のアタックでハミルトンがルクレールのタイムを0.089秒逆転してトップでQ2通過を決めている。
3時51分に始まったQ3では、各車が先頭走者にならないよう待機し、メルセデスAMGが最初にガレージを後にして各車がこれに続いたものの、ピット出口でスタート練習を行ないフェラーリのベッテル、ルノー勢を前に行かせる。ベッテルはターン1をまっすぐ行きランオフエリアを通って後方に回ろうとするが成功しなかった。
最初のアタックでルクレールが1分19秒307でトップに立ち、ハミルトンは0.039秒差の2番手。ベッテルは0.150秒差で3番手となり、4番手・5番手にはルノー勢。ライコネンがパラボリカでリヤが流れ後ろ向きにタイヤバリアにクラッシュして赤旗が提示され、直後を走っていたハミルトンは難を逃れたものの、ストロールとアルボンはノータイムのまま最後のアタックに賭けることとなった。
4時7分、残り6分35秒でセッションが再開されるが各車とも待機を続ける。残り2分を切ったところで各車が時間切れでピットアウトするが、先頭となったヒュルケンベルグはターン1のエスケープロードを利用して後方へ回り、サインツとフェラーリ勢を前へ。それでも大渋滞が続き、ほとんどのマシンがチェッカードフラッグまでにアタックに入ることができず時間切れに。先頭のサインツとその後ろにいたルクレールだけがチェッカーを免れ、サインツだけが最後のアタック入ったものの順位は変わらず、極めて珍しいかたちでフェラーリの地元ポールポジションが決まった。
2番手はハミルトン、3番手ボッタス、ベッテルは4番手に終わった。5番手リカルド、6番手ヒュルケンベルグ、7番手サインツとなり、ノータイムのアルボンは8番手、ストロールは9番手でクラッシュのライコネンは10番手という結果になった。