2019年のスーパーGT第6戦は9月7日、オートポリスでノックアウト方式の公式予選が行われ、スーパーGT GT300クラスでは2018年の第7戦オートポリスでもポールポジションを獲得した松井孝允がアタッカーを務めたHOPPY 86 MCが2年連続のポールポジションを獲得した。
午前から台風13号の影響も最小限に、降雨を逃れてくもり空が続いたオートポリスは、日差しが強くなかったこともあり路面温度が上がりきらず。例年、路面にラバーが乗るまでグレイニングが大きく出る傾向のサーキットだけに、公式練習では各陣営ともトラックコンディション変化への対応に追われるセッションとなった。
その午前に速さを見せたのは、軽さを武器とするマザーシャシー勢で、ブリヂストンタイヤ陣営の埼玉トヨペットGB マークX MC、ヨコハマタイヤを履くミッドシップMCのシンティアム・アップル・ロータスが最速の座を争う形となっていた。
最終的にロータスに最速を譲った埼玉トヨペットGB マークXだが、セクタータイムから推測するに余力を残していそうな雰囲気もあり。そんなマザーシャシー勢に対しD'station Vantage GT3を筆頭とするGT3勢やダンロップ装着のJAF-GT、SUBARU BRZ R&D SPORTらがどこまで食い下がれるかが注目ポイントとなった。
■Q1
14時30分から15分間で争われたノックアウト方式の予選Q1では、路面温度も32度とわずかに上昇し、気温28度というコンディションでの勝負に。
全29台の先陣を切ってコースへと出て行ったHOPPY 86以下、各車ウォームアップを進めると、RUNUP RIVAUX GT-Rの青木孝行が1分44秒828を記録し、これがターゲットタイムとなる。
するとやはり速さを見せるマザーシャシー、シンティアム・アップル・ロータスの加藤寛規が1分44秒803とし、タイムボードの最上位へとおどり出る。その背後では3番手タイムを記録したARTA NSX GT3の高木真一がQ1突破を確信し、セッションを5分残したところでアタックを切り上げ、同じく6番手のSYNTIUM LMcorsa RC F GT3、宮田莉朋も早々にピットへと向かっていく。
その2台の間に並んだ4番手SUBARU BRZ、5番手グッドスマイル 初音ミク AMGもクールダウンを挟んでアタックを止め、残り3分を切る頃にはほぼすべてのマシンがアタックラップを完了。
注目の埼玉トヨペットGB マークXは脇阪薫一のアタックで終盤に12番手タイムとなる1分46秒001を記録し、これでカットラインの16番手をクリア。対照的に遅れてコースインし、最後の最後までアタックを続けたMcLaren 720Sは19番手に留まり、Q1敗退となった。
■Q2
GT500クラスのQ1を経て日差しが出始めたオートポリスは、15時15分からGT300クラスの予選Q2セッションが始まり、Q1と同じくHOPPY 86を先頭に全16台のマシンがコース上へ。
10分間のセッションでまずは松井が1分44秒423でHOPPY 86をタイミングモニターの最上位に押し上げると、残り3分で各車が懸命のアタック。谷口信輝の初音ミクAMGが1分45秒378で2番手へ飛び込むも、後続のSUBARU BRZを操る井口卓人やD'station Vantageのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがそれを上回っていく。
そしてこの時点でピットへと向かったHOPPY 86に対し、最後の対抗馬として挑んだ埼玉トヨペットGB マークXの吉田広樹だったが0.097秒差でわずかにおよばず。コースレコードホルダーの松井がポールポジションを獲得することとなった。
午前中に行われた公式練習では18番手と後方に沈んでいたHOPPY 86だが、このセッションではABSにトラブルを抱えていたといい満足に周回できず。予選に向けたインターバルでトラブルを解決しての3年連続、車名を『HOPPY 86 MC』としてからは2年連続のポールポジション獲得となった。
2番手に埼玉トヨペットGB マークXが並びマザーシャシー勢がフロントロウを独占し、D'station Vantage、SUBARU BRZ、そしてエヴァRT初号機 X Works GT-Rに続き、初音ミクAMGがトップ6を占める形に。
このラウンドからGT300クラスに参戦し、初のQ2を担当した菅波冬悟のLEON PYRAMID AMGは13番手、参戦100戦記念の吉本大樹はアタックラップでトラフィックに引っかかり、12番手でQ2を終えている。
予選前の時点で多くのチームが「明日は雨」と予想する決勝300kmレースは、9月8日(日)の14時30分からスタートが切られる。