レッドブル・ホンダが、F1第13戦ベルギーGPでのアレクサンダー・アルボンに続いて、第14戦イタリアGPではチームメイトのマックス・フェルスタッペンに、最新スペックとなる『スペック4』を投入してきた。
これにより、今回のレースではフェルスタッペンが後方からのスタートを余儀なくされる。そのため、フェルスタッペンのこの日のフリー走行では予選に向けたセットアップを行うことが目的ではなく、日曜日のロングランに集中したプログラムが組まれていた。つまり、この日、フェルスタッペンは真剣に予選に向けたアタックをする必要がなかった。それでも、結果的にベストタイムでは全体で5番手につけたのである。
「後方からのスタートになるから、土曜日の予選では真剣には戦わない。だから、今日はロングランでのパフォーマンスを確認していた。今日はウエットからドライまで、いろいろとコンディションが変化したけど、どの状況でもすごく走りやすかった」(フェルスタッペン)
この言葉は決して、負け惜しみではない。それはイタリアGP初日にトップタイムをマークしたフェラーリのシャルル・ルクレールのソフトタイヤでのロングランと比較するとわかる。
■フェルスタッペン(5周走行したソフトタイヤでの7周連続計測ラン)
1周目 1分24秒846
2周目 1分24秒950
3周目 1分25秒050
4周目 1分25秒666
5周目 1分26秒285
6周目 1分25秒067
7周目 1分25秒068
8周目 インラップ
■ルクレール(7周走行したソフトタイヤでの7周連続計測ラン)
1周目 1分25秒997
2周目 1分25秒241
3周目 1分24秒860
4周目 1分24秒960
5周目 1分24秒246
6周目 1分25秒618
7周目 1分25秒413
8周目 インラップ
これを見ればわかるように、3~5周目の3周はルクレールのほうがフェルスタッペンよりも速いが、1~2周目と6~7周目の4周ではフェルスタッペンのほうがルクレールよりも速いタイムを刻んでいる。
■ミディアムタイヤのルイス・ハミルトンとの比較
またミディアムでロングランしていたルイス・ハミルトン(メルセデス)との比較でも決して悪くなかった。
■フェルスタッペン(7周走行したミディアムタイヤでの7周連続計測ラン)
1周目 1分53秒732
2周目 1分24秒925
3周目 1分24秒775
4周目 1分24秒823
5周目 1分25秒467
6周目 1分24秒831
7周目 1分24秒912
8周目 インラップ
■ハミルトン(11周走行したミディアムタイヤでの15周連続計測ラン)
1周目 2分01秒297
2周目 1分25秒503
3周目 1分25秒163
4周目 1分24秒863
5周目 1分25秒268
6周目 1分26秒455
7周目 1分24秒723
8周目 1分25秒714
9周目 1分25秒463
10周目 1分26秒804
11周目 1分24秒935
12周目 1分25秒034
13周目 1分24秒806
14周目 1分25秒994
15周目 1分24秒727
16周目 インラップ
周回数が違うため、速さの絶対的な比較はしにくいが、ともに1周目はなんらかの要因でスローラップした後の2周目で、フェルスタッペンが1分24秒台でスタートして、途中1度だけ1分25秒台に落ちるが、その後は最後まで1分24秒台をキープしていたのに対して、ハミルトンは1分25秒台でスタートして、その後1分24秒台から1分26秒台の間を何度も往復しているのがわかる。金曜日のフリー走行2回目では、ハミルトンに比べて、明らかにフェルスタッペンのほうが安定していた。
「後方からのスタートとなる僕としては、日曜日は雨のほうがチャンスはある。でも、ドライでも僕らは十分戦える。いずれにしても、面白いレースになるようベスト尽くすよ」
全開率が21戦中、最も高いモンツァだが、そのパワーをいかにタイヤと路面に伝えるかもイタリアGPでは重要となる。昨年、ルノーPUを搭載しながら、メルセデスのバルテリ・ボッタスを抑えて3番目にフィニッシュした(レース後、ペナルティで5位に降格)レッドブルとフェルスタッペンなら、後方からのスタートでも上位入賞は決して不可能ではない。