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SGT→鈴鹿10時間→SGT。グッドスマイル 初音ミク AMGのカラーリングが“戻る”まで

2019年09月06日 19:51  AUTOSPORT web

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スーパーGT用のカラーリングとなってオートポリスに到着したグッドスマイル 初音ミク AMG
9月7~8日に、大分県日田市のオートポリスで開催されるスーパーGT第6戦。シリーズ終盤戦の幕開けとも言える一戦だが、このレースに向けて運び込まれたグッドスマイル 初音ミク AMGは、ふだんスーパーGTを戦っているカラーリングをまとって登場したが、実は今季、鈴鹿10時間と同じ個体が使用されたため、8月だけで二度のカラーリング変更を行っていたのだ。その顛末を聞いた。

 ボンネット、そしてマシン左右にレーシングミクが躍るグッドスマイル 初音ミク AMGのカラーリングは、スーパーGTでも屈指の人気を誇る。スーパーGTではGOODSMILE RACING & Team UKYOとして参戦しているが、8月22~25日に行われた第48回サマーエンデュランス『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間 耐久レース』ではメルセデスAMG・チーム・グッドスマイルとして参戦しており、特別な鈴鹿10時間仕様のカラーリングで登場。10位という成績でレースを終えていた。

 チームは2018年こそ、スーパーGT用の個体と鈴鹿10時間用の個体で分けて参戦していたが、実は今季、GT300用のマシンをそのまま鈴鹿10時間に使っていたのだ。カラーリングがまったく異なるだけに少々驚きではあるが、いったいどんな工程を経てきたのだろうか……?

 GOODSMILE RACING & Team UKYOのカラーリングは、チームのSNSでもお馴染みのサムライ氏が担当しているが、このオートポリスまでの工程は多くの苦労があった様子。まず、グッドスマイル 初音ミク AMGは8月3~4日に富士で行われた第5戦の後、8月10~11日にスポーツランドSUGOで行われた公式テストに参加している。ここまでは通常のGT300用カラーだった。

 そこからマシンは、8月13日に神奈川県川崎市宮前区にある、カラーリングを手がけるのらいも工房に運び込まれ、鈴鹿10時間向けのラッピングがスタートした。鈴鹿10時間は8月21日にはパレードが行われるため、遅くとも20日の前には鈴鹿にいなければならない。しかもメンテナンスも必要だ。

 サムライ氏によれば、すでに13日の前に鈴鹿10時間用のラッピングは印刷が終わっていたというが、そこから4日半ほどで作業を終え、鈴鹿仕様に変身。8月18日に搬出し、メンテナンスを経て鈴鹿に無事到着した。

■イベント展示のためすぐには戻せず……
 その後は、今度はカラーリングを“戻す”作業が待っているが、8月25日に鈴鹿10時間を終えた後、すぐにGT300用に戻すわけにもいかなかった。8月30日~9月1日に幕張メッセで行われた初音ミクのイベント『マジカルミライ』に展示されたためだ。

 9月1日、19時頃に幕張メッセを出発したグッドスマイル 初音ミク AMGは、ふたたびのらいも工房へ。サムライ氏によれば、「実は鈴鹿10時間では、スーパーGTのカラーリングの上からラッピングをしていたんです。のらいも工房さんで、剥がしてもダメージが少ないような素材を採用してもらっていました」という。そのため、カラーリングを戻すためには基本的には“剥がす”作業となった。この工程は約1日を要したという。

 とはいえ、細かい部分は補修が必要。また鈴鹿10時間では、激しい戦いのためフロントバンパーのカナード等にダメージがあったが、鈴鹿では2018年に使っていたバンパーを装着していたため、本来のGT300用を装着し直すことに。さらに、サイドステップやチンスポイラーのアンダーは新品となった。

 こうしてふたたびGT300用のカラーリングとなって出発したマシンは無事にオートポリスに到着した。サムライ氏は短時間での作業のなかで「こんなにキレイに仕上がっていると思わなかったです」とマシンの状態に満足げな様子だった。

「このメルセデスAMG GT3は4年目で、僕ものらいも工房さんも、形を良く分かっているのが大きかったですね。調整が早くできた。それが新しいマシンだと、どこがどのくらいの面積になるかはデータが少ないので、もしかするとできなかったかもしれないです」

 カラーリングにも強いこだわりをもつGOODSMILE RACING & Team UKYOならではのエピソード。ぜひ週末、サーキットで苦労を経たその勇姿を堪能いただければ幸いだ。