2019年のモンスターエナジーNASCARカップは9月1日、サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで第25戦が行われ、エリック・ジョーンズ(トヨタ・カムリ)が2019年シーズン初優勝を達成。また、カイル・ブッシュがレギュラーシーズンチャンピオンを確定させた。
第24戦から1週間のインターバルを挟んで行われた第25戦は、1950年にNASCARが初開催された伝統あるダーリントンが舞台の1戦。このトラックは第1~2ターンと第3~4ターンで曲率が異なる“エッグシェイプ”を持つ難コースだ。
レースは当初、現地18時過ぎにスタートする予定だったが、降雨のためにスタートがディレイされ、4時間後の22時7分に100周、100周、167周の3ステージ合計367周のバトルが幕を開けた。
100周目までのステージ1では、72周に渡ってラップリーダーを務めたカート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)がトップチェッカー。2位にジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)、3位にカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)とシボレー陣営がトップ3を独占した。
続くステージ2では、エンジン交換により最後尾からレースをスタートしたカイル・ブッシュが着実にポジションを上げ、160周目にラップリーダーの座を奪うと、ステージ終盤に出されたイエローコーションにも助けられてトップチェッカー。2019年シーズン10度目のステージ優勝を飾った。
迎えた最終ステージ3では、ジョーンズ、デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)もカイル・ブッシュに追いつき、トヨタがトップ3を占める。しかし、274周目に発生した多重クラッシュの影響で、ハムリンはマシンにダメージを負ってしまう。
このタイミングで出されたイエローコーションに合わせ、上位陣は続々とピットインすると、トヨタ勢を追っていたラーソンがラップリーダーへ。これをジョーンズ、カイル・ブッシュが追う形でレース再開を迎えた。
レースが282周目に再開された時点ではラーソンがトップだったが、翌周の283周目でジョーンズが首位を奪還。そのままリードを広げていく。
レース残り10周を切るころから、2番手に浮上したカイル・ブッシュがジョーンズとの差を詰め始めていくが、チェッカーまでの残り2周でウォールにヒット。なんとか走行は続けられたものの、順位は守りきれず、ラーソンに2位の座を奪われてしまった。
後方の混乱にも助けられ、首位のジョーンズはそのまま逃げ切りトップチェッカー。キャリア通算2勝目となる2019年シーズン初優勝をカップシリーズ通算100戦目の節目で飾ってみせた。
3位でチェッカーを受けたカイル・ブッシュは、ドライバーズランキングで2位のジョーイ・ロガーノ(フォード・マスタング)との得点差を64ポイントへ広げたため、レギュラーシーズン最終戦の第26戦を前にレギュラーシーズンチャンピオンの座を射止めてみせた。
これにより、カイル・ブッシュはシリーズ終盤10戦で争われるNASCAR独自の年間王者決定戦“プレーオフ”に15ポイントのボーナスを手にして臨むことになる。
下位シリーズのNASCARエクスフィニティは8月24日に第23戦、8月31日に第24戦が行われ、ロードコースのロードアメリカで行われた第23戦ではクリストファー・ベル(トヨタ・スープラ)が優勝。スープラにロードコース戦初優勝をもたらした。
続く第24戦ダーリントンではデニー・ハムリン(トヨタ・スープラ)がトップチェッカーを受けたがレース後の車検で失格に。これで2位だったコール・カスター(フォード・マスタング)が繰り上がり優勝を果たしている。
同じく下位シリーズのガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズは8月25日に、カナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークで第18戦が行われ、こちらはブレット・モフィット(シボレー・シルバラード)が勝利を手にしている。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップシリーズ、レギュラーシーズン最終戦となる第26戦は9月8日、インディアナ州インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われる。