元F1ドライバーで『Sky F1』のコメンテーターを務めるマーティン・ブランドルは、シャルル・ルクレールが今ではフェラーリのチームリーダーとしてセバスチャン・ベッテルを“事実上”凌駕していると述べている。
第2戦バーレーンGPと第9戦オーストリアGPではあと一歩優勝に届かなかったルクレールだが、先週末の第13戦ベルギーGPでついにF1初勝利を手にした。ルイス・ハミルトン(メルセデス)は堂々たるパフォーマンスを発揮したルクレールの後塵を拝し、チームメイトのベッテルは彼に大差をつけられて敗北した。
ブランドルは、ルクレールの傑出した初勝利を称賛した。その前日には、ルクレールの子供の頃からの友人であるフランス人のF2ドライバー、アントワーヌ・ユベールが悲劇的な死を遂げており、重苦しい心とともに達成された勝利だった。
ブランドルはレース後、Sky Sportのコラムに「彼のポールポジションラップは非常にスムーズなものだったし、スタートとリスタートは完璧だった。タイヤマネジメントも改善されていた」と綴った。
「そしてレース終盤では、ルイス・ハミルトンがこれまでにないほど容赦なく彼を追っていたが、それにくじけることもなかった」
「我々は、何度かルクレールが逆境にあった時に、世界レベルで走行しているのを目にしてきた。それも彼の父親や親友のジュール・ビアンキ、アントワーヌ・ユベールの死の後でだ」
「日曜日も強大なフェラーリチームを両肩に背負うなかで彼はそうした。21歳という年齢でやってのけたのだ」
ブランドルは、フェラーリにおいてバトンは意図せずベッテルからルクレールに渡されたと考えている。
「彼は優れたドライバーになるだろうと分かっていたが、これほどまでとは思わなかった」
「彼はすでに事実上のチームリーダーだ。セバスチャン・ベッテルは彼のスピードとコントロールに並ぼうと苦戦している。そして彼は今もどんどん向上しているのだ」
「セブ(ベッテルの愛称)にとっては難しい時期だ。彼は週末の出来事とともに、自身と人生、業績を振り返り、すべての選択肢を検討しなければならないだろう」