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なにわ男子 藤原丈一郎&大橋和也、バーチャルアイドル“あすかな”から感じる成長とバディ感

2019年09月05日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)SHOWROOM

 8月28日に発売された雑誌『anan』(マガジンハウス)は読まれただろうか。「相性(バディ)の化学反応」特集が組まれた同誌は、ジャニーズきっての人気コンビであるSexy Zoneの中島健人&菊池風磨、King & Princeの岸優太&神宮寺勇太、なにわ男子の藤原丈一郎&大橋和也という名コンビが出演しれ、発売初日に重版が決定したほど注目を集めている。その中に、ジャニーズ初のバーチャルアイドル海堂飛鳥&苺谷星空のインタビューも掲載されており、非常に興味深い。そこで、本稿では改めて海堂飛鳥&苺谷星空こと“あすかな”について、その魅力に迫っていきたいと思う。


(参考:なにわ男子 藤原・大橋のファンが、バーチャルジャニーズ 海堂飛鳥と苺谷星空を受け入れたきっかけ


 まずは、バーチャルアイドル“あすかな”についておさらいだ。2019年2月19日、ジャニーズ事務所とSHOWROOM株式会社がタッグを組み、“バーチャルジャニーズプロジェクト”を始動。その第一弾として誕生したのが、バーチャルアイドル海堂飛鳥と苺谷星空だった。二人はアイドルを目指す高校生。夢を叶えるために日々レッスンに励んでいる。そんな二人にプロデューサーが与えたミッションは、SHOWROOMでの生配信を通して新しいアイドルとしてのスキルを学ぶこと。そして、アイドルデビューとワンマンライブを目指していく、というものだ。二人のキャラクターボイスを務めるのは、なにわ男子の藤原(海堂役)と大橋(苺谷役)。現在は、海堂が「海堂飛鳥の飛鳥クルージングルーム」、苺谷が「苺谷星空のいちご果汁99%のお部屋」というルームで毎週交互に生配信を実施し、記念日やイベントの日には、二人揃って配信を行なっている。


 発表当初、ジャニーズ事務所がこういったwebに特化したプロジェクトをスタートさせることに驚きの声が集まった。また、それ以上にジャニーズアイドルが顔を出さずに活動をすることに賛否両論、多くの意見が挙がっていたのは記憶に新しい。しかし、生配信スタートから約7カ月、多くのメリットが生まれたように感じる。


 まずあげられるのは、同プロジェクトを通して、着実に藤原と大橋のトークスキルが向上していることる。配信を見ていると、約30分間話題が途切れることもなく順調に進行しており、一人でも上手くトークを組み立てている。フォロワーたちからのコメントを拾い、生配信の醍醐味であるインタラクティブコミュニケーションを楽しんでいるのも見事だ。実際、『anan』のインタビュー内では「トーク中でも、面白いネタなんかにすぐ反応してコメントくれたりするんですけど、僕もそれがめっちゃ励みになって」(苺谷)と語っている。藤原と大橋は、なにわ男子の中でも年長組。トークをまとめたり主導したりすることも少なくない。なにわ男子としての活動にも、磨かれたトークスキルが活きていることだろう。


 そして、対応力の高さも見どころのひとつ。『anan』のインタビューでもわかるが、“あすかな”として活動をしている時、藤原と大橋であることをほのめかす言動は微塵も見せていない。たとえば、「どんなふうに一日を過ごしている?」という質問に対して、「僕も星空も高校に通う学生なので、朝起きて学校に行って、その後はバイトに行ったりレッスンに行ったりしてます」(海堂)、「飛鳥は僕の一つ下なんで、お世話焼かせてもらってます」(苺谷)と回答。“アイドルを目指す高校生”という設定が遵守されている。藤原と大橋がこのラインをしっかり守っているからこそ、“なにわ男子の藤原・大橋が演じるバーチャルアイドル”ではなく、“バーチャルアイドル海堂飛鳥・苺谷星空”が成り立っているのだ。藤原と大橋の対応力の高さあってこそのリアルさなのである。


 一方で、藤原と大橋のバディ感を“あすかな”に活かしている一面も。不器用ながらも真面目な海堂と、どこかふわふわしている苺谷の関係性は見れば見るほど癖になる。その裏側には、藤原と大橋の関係性が透けて見えるのではないだろうか。藤原の関西ノリのお調子者感と大橋の底抜けの明るさ、そして長年一緒にで活動してきたからこそ生まれる軽口の叩き合いと信頼関係。この前提があるからこそ、海堂と苺谷の関係性も際立つのだ。


 昨今では、AR performersなどバーチャルアイドルが実際にライブを行なったり、メジャーデビューをしたりと、活動の幅が広がってきている。“あすかな”も近々ライブやデビューを果たすかもしれない。そして、“あすかな”に続く、“バーチャルジャニーズプロジェクト”第二弾以降の動きにも注目だ。


(高橋梓)