2019年09月05日 07:01 リアルサウンド
アメリカ現地時間9月10日に発表と予想されている新型iPhoneに関するリーク情報が、またひとつ増えた。もっとも、その情報が真実だとすると、新型iPhoneの性能に一抹の不安を感じてしまう。
(参考:新型iPhoneのデザイン、これまでのリーク情報は間違いだった?)
・大幅なチップ性能向上は認められず?
テック系メディア『Tom’s guide』は3日、iPhone XR後継機のベンチマークスコアに関するリーク情報を報じた。iPhone 11という名称になると予想されているiPhone XR後継機のGeekbenchベンチマークスコアはシングルコアスコアが5415、マルチコアスコアは11294であることを示す画像がリークしたのだ(トップ画像参照)。
Geekbench とは、スマホのチップ性能を比較する際に参照されるベンチマーク(性能測定値)である。具体的にはJPEG画像やHTMLの読み込み時間を測定した後、各種測定値を総合してスコアを算出している。算出されたスコアのうち「シングルコア」とは、ひとつのチップが演算している時の測定値である。
対して「マルチコア」とは、複数のチップが演算している時の数値である。iPhone XRのGeekbenchベンチマークスコアはシングルコアが4821、マルチコアが11327なので、シングルコアではiPhone 11のリーク値のほうが大きいが、マルチコアではむしろ小さくなっている。もっとも、スングルコアスコアをより重視すべきと言われているので、iPhone 11がiPhone XRよりチップ性能が劣化したとは一概には言えない。だがしかし、チップ性能が大幅に向上したわけではない、とは言えるだろう。
チップ性能以外の仕様に関しては、Tom’s guideのほかの記事が報じている。その記事では、新型iPhoneシリーズの各種仕様が記された画像を掲載したツイートを引用している。そのツイートによれば、新型iPhoneシリーズでは実装メモリ数が増量し、iPhone 11が4GB、iPhone 11 Pro/Pro Maxが6GBとなる。
・Apple Arcadeは月額約5ドル
9月10日のイベントでは、Apple ArcadeとApple TV+のサービス開始日も発表されると予想されている。Apple Arcadeに関しては、Apple製品専門ニュースメディア『9to5Mac』が先月19日に月額料金について報じた。同メディアはAppleが社員向けに用意したApple Arcadeの早期アクセスプログラムへのアクセスに成功し、月額料金が4.99ドル(約530円)で1ヶ月の無料利用期間があることをつきとめた。4.99ドルという月額料金は、Googleが提供するゲームストリーミングサービスであるStadiaの9.99ドル(約1,060円)より安い。
Apple TV+に関しては、テック系メディア『The Verge』が3日に制作中のドラマのひとつがキャンセルになったことを報じた。制作キャンセルになったのは『Bastards』というタイトルのドラマで、主演を務めるリチャード・ギアが老境に達したベトナム帰還兵を演じていた。キャンセルされた理由は、同ドラマの制作者が「ストーリーのより暗い側面に焦点を合わすこと」に対して、Appleが同意しなかったからと言われている。
以上のドラマ制作キャンセルの一件から、Apple TV+は大人向けコンテンツより家族向けコンテンツが主流になることが推測される。家族向けコンテンツが主流になる点において、同サービスは11月からサービス開始となるDisney+と競合するのかも知れない。
・新型iPad Proもトリプルカメラ?
さらに、新型iPad Proに関する報道も日を追うごとに増えている。例えば、テック・エンタメ系メディア『Pocket-lint』は3日、新型iPad Proに関する情報をまとめた記事を公開した。その記事によると、新型iPad Proは9月10日のイベントとは別の日に発表され、2019年内あるいは2020年3月頃にリリースされると予想されている。2019年内リリースの場合、早ければ10月には発表されると見られている。
仕様に関しては、基本的に現行のiPad Proを踏襲する。新機能としては、iPhone 11 Pro/Pro Maxに実装されるであろうトリプルカメラを搭載する。この新機能によって、新型iPad Proでも超広角の画像を撮影できるようになるだろう。
新型iPad Proに関しては、Apple製品専門メディア『MacRumors』も2日に記事を公開している。その記事は、2020年3月リリース説を支持したうえでToFカメラの実装を予想している。ToF(Time of Flight)カメラとは、カメラから光線を照射して被写体に到達するまでの時間を測定することによって、被写体を立体的に捉えることができるものである。ToFカメラを実装するとユーザの顔を精確にスキャンできるようになり、ユーザのアバターと現実世界を合成したARコンテンツの作成が可能になる。もっともApple製品の予想で有名なアナリストであるMing-Chi Kuo氏によると、ToFカメラ実装の確率は50%である。
もはや出尽くした感のある新型iPhoneのリーク情報を総合すると、目玉となる新機能はトリプルカメラということで間違いないだろう。9月10日のイベントでむしろ注目すべきなのは、Apple TV+とApple Arcadeがどんなコンテンツを揃えてくるか、ということではないだろうか。
(吉本幸記)