2020年のダカールラリー参戦を目標にトレーニングを進めているフェルナンド・アロンソは、9月2~3日の2日間に渡り、ポーランドのシュチェチンで走行テストを実施。砂丘や軟らかなグラベル(未舗装路)などバラエティに富んだ地形をおよそ700kmに渡り走破した。
2018年限りでF1ドライバーとしての活動に一度幕を下ろしたアロンソは、2018/19年のWEC世界耐久選手権にTOYOTA GAZOO Racingから参戦し、ル・マン24時間連覇を達成、シリーズチャンピオンにも輝いた。
そんなアロンソは次なるターゲットを“世界一過酷”とも評されるダカールラリーにあわせて活動を開始。2020年大会参戦を見据え、まずは9月13~14日に行われる南アフリカのクロスカントリーシリーズ第5戦で実戦デビューを果たす。
この第5戦は当初、ハリスミスを中心とする『2019ハリスミス400ラリー』として開催される予定だったが、同エリアでは季節外れの乾燥が続いていて火災が発生する危険性が高いことから開催地が変更され、南アフリカのリヒテンバーグを中心とした『リヒテンバーグ400』として行われる。
ラリーレイド本格挑戦を前に、アロンソは8月20~23日にアフリカ南部の砂漠地帯でテストを実施。続けて、大会目前の9月2~3日にポーランドでも走行テストを行った。
このポーランドテストでも愛機となるトヨタ・ハイラックスをドライブ。バハ・ポーランドにも組み込まれたエリアを含むルートで、砂丘や軟らかいグラベル、硬く引き締まったグラベルを走行したほか、チームのロジスティクスパートナーであるオーバードライブ・レーシングが人工的に作り出したバンピーセクションなどを走行した。
「さまざまな地形での走行を経験できたことで、ポーランドでのテストは間違いなくポジティブなものになった」とアロンソ。
「この段階でのテストでは、ハイラックスで少しでもマイレージを稼げることがうれしいし、チームが当初想定したプランよりも進んだテストができて満足しているよ」
「TOYOTA GAZOO Racingファミリーの一員として、これまでとはまったく違うモータースポーツに身を投じることができて本当に幸せだ。ハイラックスは運転していて本当に楽しいし、これまで行ってきたテストを満喫しているよ」
ダカールラリーチームのグリン・ホール代表は「今回のテストはフェルナンドがヨーロッパ圏でハイラックスをドライブする初のテストとなり、2週間前に(アフリカ南部の)ナミビアでのテストとはまったく違う地形を走行することになった」と述べている。
「このトレーニングプログラムでは、なるべく早くフェルナンドにハイラックスを手なづけてもらい、ラリーレイドという競技にも慣れてもらうことに重点を置いている。単純にマイレージを稼ぎたいわけではないんだ」
「ただ結果的に、当初の予定より2倍近いマイレージを稼ぐことができた。これはフェルナンドが急速にハイラックスの走らせ方を会得しているおかげだよ」