F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、第13戦ベルギーGPでフェラーリが2019年シーズン初優勝を挙げたことについて、この勝利はシャルル・ルクレールだけでなく、チーム代表のマッティア・ビノットにとっても重要なものだったと述べている。
ブラウンはレース後に掲載された解説記事のなかで、ブラウンはまず亡くなったF2ドライバーのアントワーヌ・ユベールに追悼の言葉を述べた。
「土曜日の午後に行われたFIA-F2選手権のレース1でアントワーヌ・ユベールに降りかかった悲劇は大変な悲しみであり、私の思いはアントワーヌの家族、友人、アーデン・チーム、そしてF2に関わるすべての人々とともにある」
「また特に救助チームと彼らの任務にも敬意を払いたい」
「モータースポーツを愛し、そのなかで生きている我々全員、特にドライバーたちは、自分たちの情熱に対して、時に非常に大きな犠牲を払わなければならない暗黒の日々が存在することを知っている」
「彼らはそのリスクが決してなくならないことを承知している。もしそのことから恐怖心が生まれたら、勇気、スピードを愛する心、レースをする必要性がそれを克服する助けになるだろう」
またブラウンはベルギーGPでのフェラーリの傑出したパフォーマンスを振り返り、ルクレールの優勝を喜んでいることを認めた。
「他のチームのファンには許してもらいたいのだが、ベルギーGPではフェラーリに非常に喜ばしいシーズン初勝利がようやくもたらされた。そして、シャルル・ルクレールが見事なF1初勝利を飾ったのだ」
「シャルルにとってはほぼ完璧な週末だった。パッケージの性能を十分に引き出し、チームから必要なサポートのすべてを受けていた」
「そのサポートにはセバスチャン・ベッテルの助力も含まれている。極めて重要な数周の間、彼はハミルトンを抑えていた。レース終盤、ハミルトンは間違いなく(フェラーリよりも)速かったが、彼を遅らせたことが決定的となった」
またブラウンによると、スパで安堵したフェラーリのチームメンバーは、ルクレールだけではないようだ。
「チーム代表のマッティア・ビノットにとっても重要な初勝利だった」
「つまり彼は、今ではプレッシャーにより落ち着いて対処できるということだ。特にチーム外部からのプレッシャーにね」
「イタリアでは、フェラーリはサッカーのイタリア代表と同じ注目を浴びていることを理解しなければならない。だからそのプレッシャーは莫大なものだ」
「またタイミングの良い勝利でもあった。なぜなら、チームのホームレースであるモンツァの数日前だったからだ」
「この勝利が、非常に熱狂的なすべてのイタリアのフェラーリファンを盛り上げることになるだろう。今モンツァのチケット売り場は、最後に残ったイタリアGPのチケットを手に入れようという人々に忙殺されていることだろう」