ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第4戦シルバーストンは8月31日、イギリス・シルバーストンで4時間の決勝レースが行われ、IDECスポーツの28号車オレカ07・ギブソン(ポール・ラファーグ/ポール・ループ・シャタン/メモ・ロハス組)が2019年シーズン初優勝を飾った。
WEC世界耐久選手権との併催イベントとして実施されたELMS第4戦。シーズンの折返しを迎えた一戦はどんよりとした曇り空の下、“ウエット宣言”が出されるなかでスタートが切られた。
オープニングラップでは、隊列の中段から後方にかけて多数のマシンがコースを外れたシーンがみられたものの、セーフティカーなどが導入される大きなアクシデントには至らず。まずは前日の予選でポールポジションを奪った、ドラゴンスピードの21号車オレカがレースをリードしていく。
ところが、まもなく雨が降り出すと、スリックタイヤのままステイアウトしていた21号車オレカは濡れた路面に足をとられて大きくコースを外れてしまう。これに乗じて首位に立ったのはRLR Mスポーツの43号車オレカ07だ。レースリーダーとなったマシュー・バキシビエールは雨のなか好走をみせ、後続に30秒ものギャップを築いてみせる。
その43号車オレカは、雨が上がり路面が乾いてきたところでピットイン。2番手と8秒差のトップでコースに復帰するも、代わったジョン・ファラーノが21号車オレカを繰るジェームズ・アレンを含めた経験豊富なドライバーたちに飲みこまれ、6番手まで順位を落としてしまう。
その後、レースはパニス・バルテズ・コンペティションの24号車オレカ07と接触したユナイテッド・オートスポーツの3号車リジェJS P3・ニッサンがコンクリートウォールに激突するアクシデントなどの発生によって、セーフティカーが複数回導入された。
終盤、43号車オレカをパスして再びトップに立っていた21号車オレカは、第2戦モンツァと第3戦バルセロナで勝利を収めているGドライブ・レーシングの26号車アウルス01を押させる走りをみせるが、ピットタイミングによって前年王者にトップの座を明け渡してしまう。
しかし、そのGドライブを駆るジャン-エリック・ベルニュも燃料が最後まで保たず。フィニッシュまで残り4分というタイミングでスプラッシュ・アンド・ゴーに入ったことで、2番手につけていたIDECスポーツがこれを逆転。28号車オレカがそのままトップチェッカーを受け、ドラマチックなレースに幕が閉じられた。
Gドライブは9.9秒差の2位フィニッシュとなり、勝利は逃したものの今戦3位に入ったランキング2位、グラフの39号車組に対してチャンピオンシップのリードを広げることに成功している。
LMP3クラスでは、インターユーロポル・コンペティションの13号車リジェJS P3がトップチェッカーを受けたが、ジェントルマンドライバーの最低搭乗時間が規定に達していなかったことから、レース後に1分43秒のタイム加算ペナルティを受けて2位に降格。優勝は2位でフィニッシュしたユーロインターナショナル11号車リジェJS P3(ミケル・ジェンセン/イェンス・ピーターセン組)に渡っている。
GTEクラスはプロトン・コンペティションの88号車ポルシェ911 RSR(トーマス・プレイニング/ジャン・ルーカ・ギラウディ/リチャード・サンチェス)が、フェラーリ488 GTE Evoを走らせるケッセル・レーシング勢の83号車、60号車を抑えてクラス優勝を飾った。
ELMSの次戦は9月20~22日、ベルギー・スパ・フランコルシャンで開催される第5戦シルバーストン4時間レースだ。