マツコ・デラックスさんが9月2日放送の『5時に夢中!』(TOKYOMX)に出演し、読書感想文のコンクールで「電子書籍で読んだ感想文は禁止」とする応募条件に対して、
「みんな読書をしましょう、読書は素晴らしいんですよ、という運動のために(コンクールを)やっているなら、ナンセンスよね」
などと苦言を呈しました。
番組では日経新聞の「読書感想文で電子書籍ダメ!?」という記事を紹介。全国最大規模の「青少年読書感想文全国コンクール」では、スマートフォンやタブレット端末などから電子書籍を読んで書いた感想文は受け付けないとしています。(文:篠原みつき)
マツコ「『感動を自由に書いて見せてね』なら、電子書籍だろうが漫画だろうがいいと思う」
電子書籍を拒否する理由は、「ウェブ上で随時内容が更新される可能性があり、応募者が読んだ内容や引用部分を特定するのが難しい」(事務局)からだといいます。「閲覧に機器が必要」になることも理由にあるそうです。
意見を求められたマツコさんは、コンクールの性質によって、必要になる規定が異なるのではないかという見方を示しました。「読書感想の技術を競うコンテスト・コンクールなのであれば規定があってもいいと思う。その中から選んで『あなたのテクニックを見せてください』という場であるなら」と、文章作成の技術を競うものならば、一定の枠の中で競うことがあっていい、としながらも、
「でもそうじゃなくて、『その本を読んだ感動を自由に書いて、それを見せてね』というコンクールなら、電子書籍だろうが漫画だろうがいいと思うのよ」
「本当にその人の読解力や表現を競う、テクニックを競うものならこれでいいと思う。ただ、『みんな読書をしましょう、読書は素晴らしいんですよ』という運動のためにやっているとするならナンセンスよね。電子書籍ダメって言ってる時点で」
などと苦言を呈しました。電子書籍を禁止することがコンクールの趣旨に沿っているのか、疑問を投げかける指摘です。
ネット上でも物議「なかなかのブラックルールですね」「ウェブ記事と区別がついてない」
読書感想文コンクールは自治体や企業など様々な団体が開催しており、電子書籍を認めているところもあります。話題になった同コンクールは、公益社団法人全国学校図書館協議会などが主催し、応募票には本の発行所や発行年、サイズまで記入しなくてはなりません。これついて専門家からは、「電子書籍で読んでも子どもの感想は変わらない」「時代に逆行している」などの異論も出ています。ネット上でも8月末、「バカじゃないの?」「なかなかのブラックルールですね」「ウェブ記事と区別がついてない」などの批判が多数上がり、物議を醸しました。
ちなみにコンクールの開催趣旨は、「子どもや若者が本に親しむ機会をつくり、読書の楽しさ、すばらしさを体験させ、読書の習慣化を図る」とのこと。同時に、読書を通して人間形成や表現力を養うことにも言及しています。電子書籍で読んだとしても、果たせないことではないでしょう。
授業でもタブレット端末やパソコンが利用される現在、電子機器を避けては通れません。やはりマツコさんの言う通り、電子書籍はダメというのはナンセンスではないでしょうか。