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現代日本における“仏教”とは何か? 富田克也×相澤虎之助『典座 -TENZO-』予告編公開

2019年09月04日 09:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『典座 -TENZO-』(c)全国曹洞宗青年会

 10月4日に公開される映画『典座 -TENZO-』より、予告編とメインビジュアルが公開された。


参考:宮台真司×富田克也×相澤虎之助 特別鼎談「正義から享楽へ 空族の向かう場所」


 本作は、『サウダーヂ』『バンコクナイツ』の空族が手がける人間ドラマ。映画のタイトルである「典座」は、禅宗において“食”を司る役職。福島と山梨に生きる2人の若き僧侶の苦悩を軸に、3.11以降の現代日本における“仏教”、そして“信仰”とは何かを問いかけていく。


 公開された予告編は、曹洞宗の高僧、青山俊董が「私自身は誰にもこの命にも差し上げていない。その私が一日生きるだけにどれだけの命を頂戴しているかわかりません」と告げるシーンから幕を開ける。今回、全国曹洞宗青年会から依頼を受け、映画の製作にあたった富田監督は、僧侶たちに「今、一番話を聞いてみたい曹洞宗の高僧はいますか?」と尋ねた。その時に名前が挙がったのが青山俊董だったという。


 続けて山梨の僧・智賢が、アレルギーで倒れた息子を抱きかかえて病院へ急ぐ姿、日々の職務に疲れた様子などが描かれる。一方の福島では、隆行が津波によってなぎ倒された墓石の前で読経する場面、軽トラックの中で泣いている姿などが捉えられている。予告編の最後は、青山と智賢とが緑豊かな庭の縁側で静かに語らう印象的なシーンで締めくくられている。


 あわせて公開されたメインビジュアルは、「何の為の信仰か? 誰の為に祈るのか?」とキャッチコピーと共に、法衣を着た智賢、作業着で手を合わせる倉島、中央に青山が静かに微笑んでいる姿が写し出されている。(リアルサウンド編集部)