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日本の労働者は「意識低い系」 出世意欲は世界最低、「職場以外での学習はしていない」4割超え

2019年09月04日 07:10  キャリコネニュース

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パーソル総合研究所は8月下旬、「就業実態・成長意識」に関する調査結果を発表した。調査は今年2月~3月にネット上で実施。日本を含むアジア太平洋地域(APAC)14の国・地域に3年以上居住し、就業している20歳~60歳の男女1000人から回答を得た。

「現在の会社で管理職になりたい」と回答した人が最も多かった国はインド(86.2%)、次いで、ベトナム(86.1%)、フィリピン(82.6%)で、日本は最下位の21.4%だった。仕事への意識として「会社で出世したいかどうか」を5段階評価で答えてもらったところ、最も高かったのはタイ(4.7)で、以降、フィリピン(4.6)、インド(4.5)と続く。こちらの項目でも日本(2.9)は最低だった。

会社、職場の人間関係、上司、仕事内容、プライベートで不満を抱える日本の労働者

「勤務先以外での学習や自己啓発」について聞くと、日本は「特に何も行っていない」(46.3%)が14の国・地域でトップ。2位のオーストラリアに24.8ポイントも差を付けられた。一方で、シンガポール以外の東南アジア、インド、中国では「何も行っていない」は10%未満で、積極的に自己研鑽にしていることが明らかになった。

「起業・独立志向」を聞くと、1位はインドネシア(56.4%)、2位はインド(53.4%)、3位はタイ(51.3%)で、日本(15.5%)はワースト1という結果だった。

次に、ダイバーシティ受容度に関する質問を聞いた。「女性上司のもとで働くことに抵抗はない」と答えた人が最も多い国は「ニュージーランド」「タイ」「ベトナム」(同率1位)だったが、日本(3.8)は最下位だった。

「外国人と一緒に働くことに抵抗はない」と回答した人が多い国の1位はタイ(4.4)で、2位はニュージーランド、フィリピン(同率で4.3)、日本(3.5)はこちらも最下位だった。

「年下上司のもとで働くことに抵抗はない」と答えた人が多い国1位はベトナム(4.4)、2位はタイ(4.3)、3位はフィリピン(4.2)で、日本(3.5)はワースト2。ダイバーシティ受容度について、オセアニア、東南アジア、インドは抵抗がないと感じている割合が高いことがわかった。

日本が1位になったのは「何歳まで働き続けたいと思っているか」という質問で、平均63.2歳。2位は韓国(62歳)、3位がオーストラリア(60.5歳)だった。

「会社全体」「職場の人間関係」「直属上司」「仕事内容」「プライベート」について満足度を聞いたところ、14か国平均で全項目とも70%を超え、「会社全体」は80.2%が満足と回答した。日本は他国と比較し、全ての項目で満足度がワースト1。「会社全体」(52.3%)、「職場の人間関係」(55.7%)、「直属の上司」(50.4%)、「仕事内容」(58.2%)という結果だった。

「今の勤務先で働き続けたい」「転職したい」も共に最下位

「今の勤務先で働き続けたいか」を聞くと、日本は52.4%で最下位。一方、日本の転職意向は25.1%に過ぎず、この項目でも最下位だった。一方で、中国、ベトナム、インドでは、8割以上が勤続意向を持っている。転職意向がある人も4割以上いる。

「転職後に年収が上がった人」も日本(43.2%)が最下位だったが、日本以外はいずれも6割以上が年収アップを実現していた。日本は「年収が下がった」(40.4%)と「変わらない」(16.4%)の合計が5割以上で、転職が収入増に繋がりにくいことがわかった。