2019年F1第13戦ベルギーGP決勝で5位~優勝のドライバーたちが日曜日を振り返った。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
アレクサンダー・アルボン 決勝=5位
すごくハッピーだ。5位という素晴らしい結果を出し、とてもいい形でこのチームとのスタートを切ることができた。今日は走っていて楽しかった。レースをエンジョイしたよ。
今週末、最初はとても緊張していた。あの時点で「君は5位でフィニッシュするよ」と誰かが予告してくれたら、うれしかっただろうね。今日のレースを終えて、多少リラックスすることができた。
難しいレースだった。ファーストスティントでは渋滞のなかで走り、乱気流の影響でグリップを十分に得られず、全くオーバーテイクができなかった。でもソフトタイヤに交換した後、マシンがパフォーマンスを取り戻し、「よし、これで行動を起こせるぞ!」と思った。
最終ラップはすごくうまくいったね。セルジオととてもいいバトルをした。ふたりとも芝生にはみ出しながら激しく戦った。
僕にはまだ改善すべき部分がいくつかあるから、これからの数日を使ってしっかりと宿題をこなし、モンツァに向けて対処する。チームの皆とじっくり話をして、なぜレース序盤に苦労したのかを理解したい。僕はまだこのマシンをうまく走らせるための小さな秘訣を見つけられていないから、これからそれを探って適応したい。
今週末はそれほど大きなプレッシャーを感じていなかった。メディアの人たちは、僕に巨大なプレッシャーがのしかかるものと考えていただろうけど、実際にはこのチームとの1週間を楽しく過ごした。いままでとは違う作業のやり方を学び、いい経験ができた。
昨日の夜は(アントワーヌ・ユベールの訃報を受けて)とても辛い思いをした。僕たちルーキーは、アントワーヌのことをよく知っていたから、精神的にきつかった。今朝もいつもとは違う気分だったし、重苦しい雰囲気だった。このレースを彼に捧げたい。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=4番手
楽なレースだったとはいえないね。スタートでいったんルイスに抜かれた後、ポジションを取り戻した。でもその後、タイヤに苦しみ始めて、予定より早くピットインしなければならなくなった。
ミディアムタイヤでの最初のころは、いいペースを維持することができたが、またペースが落ちてしまった。2番手を手放すまいと頑張ったけれど、抜かれてしまい、その時点で最善の策は、もう一度ピットに入って比較的いい状態のタイヤで走ることだった。
なぜ僕のマシンではタイヤのデグラデーションがこれほど高かったのか、理由を調べる必要がある。快適に走れなかった理由を知るため、細かい分析をしなければならない。
僕にとってはあまりいい週末ではなかった。でもチームにとっては素晴らしい週末になったから、それが大事なことだ。チームの皆におめでとうと言いたい。F1初優勝のシャルルは、とてもいい仕事をした。
(ルクレールをサポートしたことについて語り)僕が戦いに加われないことは明らかだったから、その時僕にできるのはチームのための仕事をすることだった。(ルイスに)時間を失わせ、シャルルとの間にギャップを築こうとした。最終的に(ルクレールは逃げ切ったので)十分な仕事をしたということになる。チームのことを考えるとハッピーだよ。自分自身のことを考えれば、満足できるレースではなかったが。
■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=3位
昨日は悲しい出来事があり(注:F2ドライバーのアントワーヌ・ユベールがレース中の事故で死亡したこと)、誰もが辛い気持ちで過ごした。
今日はコース上でできる限り攻めていこうとしたが、あまりチャンスがめぐってこなかった。レースペースはまずまずだったけれど、予想していたとおりフェラーリはストレートで速かった。
ファーストスティントの終盤、タイヤの性能が落ちて、タイムを失ったように思うが、セカンドスティントはとてもうまくいった。それでもチャンスは訪れなかったので、エンジンとギヤボックスをセーブしようという判断がなされた。
僕はスパで苦労することが多い。でも今日は戦略によってひとつポジションを上げることができたし、スパでの最高のパフォーマンスを発揮できたと思っている。
次のモンツァが楽しみだ。フェラーリがまた速いだろうけど、彼らと戦えるようさらに改善しないとね。
ルイス・ハミルトン 決勝=2位
(土曜にF2のレースでの事故でアントワーヌ・ユベールが命を落とし)モータースポーツ全体にとって辛い週末になった。今日はアントワーヌのことを思いながらレースをした。
今週末は一貫して強さを発揮することがなかなかできなかったが、予選と決勝はまずまずだったと思う。満足だよ。もちろん決勝日にはいつだって優勝を狙っているけれど、全力を尽くしたと断言できる。
フェラーリはとても強かった。その彼らにレース終盤、追いつくことができたのは、ポジティブな要素だ。
シャルルにおめでとうと言いたい。週末を通して素晴らしい仕事をしたね。
来週末のレースまでの数日間で、フェラーリとのストレートスピードの差を縮めるためには、膨大な作業に取り組む必要がある。でもそれを可能にするチームがあるとしたら、それはメルセデスだ。次のモンツァでも彼らに挑戦できるといいね。
■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 決勝=1位
(トップ3記者会見で語り)子どものころからの夢がかなった。一方で、昨日(ユベールが亡くなって)から辛い時間が続いている。友人を失ったんだ。この勝利を彼に捧げたい。僕らは一緒に育った仲だ。あんなことが起きてしまい、初優勝を100パーセント楽しむことはできない。でも一生忘れない勝利になるだろう。
昨日アントワーヌを失って、2005年のころのことがよみがえった。フランスのカート選手権に初めて挑戦した時のことで、その時、アントワーヌとエステバン(・オコン)、ピエール(・ガスリー)もいて、4人でF1を夢見ていた。カート時代からずっと長い間一緒だったから、彼を失ったことは本当にショックだ。僕だけでなく、モータースポーツ界のすべての人がそうだと思う。本当に悲しい日になってしまった。今日という日を心の底から楽しむことはできない。2、3週間たってから、実感するかもしれないね。
今日勝つことができてよかった。アントワーヌにふさわしい形で彼を記憶に刻むことができる。彼はチャンピオンだった。この勝利は彼のものだ。
レースについて話そう。チームが素晴らしいマシンを用意してくれたからこそ、これほどうまくいった。今週末はレースペースとタイヤマネジメントの面で改善したと思う。
最後の数周は楽ではなかった。ルイスがどんどん追いついてくるのがミラーに映っていた。でも自分の仕事に集中し続け、トップでチェッカーを受けることができた。この素晴らしい結果を可能にするために懸命に作業にあたってくれたチームの皆に感謝したい。