2019年F1第13戦ベルギーGP決勝で6位~10位に入賞したドライバーたちが日曜日を振り返った。
■スポーツペサ・レーシングポイントF1チーム
ランス・ストロール 決勝=10位
辛い週末だ。皆、アントワーヌのご家族のことを思っている。彼のことを思いながらレースをした。いいレースになったと思う。
2台揃ってポイントを獲得し、チームにとっていい結果を出せた。16番グリッドから1ポイントつかめるなんて、本当にうれしい。でもレースの間ずっと渋滞のなかにいて、自分とは違う戦略のマシンに引っ掛かったのは残念だった。前が詰まっていて、プッシュすることができなかったんだ。
今思えばそういう部分で他のドライバー、たとえば(ダニール・)クビアトやアルボンよりもタイムを失い、彼らに前に出られてしまったのだと思う。
とはいえいいバトルができたと思う。終盤、(ピエール・)ガスリーのすぐ後ろまで来ていて、あと少しでオーバーテイクできそうだった。最終ラップのイエローフラッグがなければ前に出ることができたはずだ。
全体的に見て、素晴らしいレースだったと思う。最初から最後までエキサイティングで楽しむことができた。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
ピエール・ガスリー 決勝=9位
これほどエモーショナルなレースはキャリアのなかで初めてだ。今日はアントワーヌのために、できる限りいいパフォーマンスを発揮したいと思った。それが僕にとって一番大事なことだった。
レースを走り終えていい結果を出し、トロロッソでの復帰初レースで2ポイントを獲得できたことに満足している。
きついレースになることは分かっていたが、挑戦した。かなり早い段階でピットストップをするというアグレッシブな戦略で走ったため、レース後半、ソフトタイヤを履いたドライバーたちとの戦いは簡単にはいかないと覚悟していた。でも、全力を尽くして前のマシンに挑み、後ろのマシンからポジションを守るために戦った。際どいバトルをして、この2ポイントを手に入れたので、満足している。このポイントはチームのものであり、アントワーヌのものだ。
レースを走るなかで、このマシンについてたくさんの発見があった。レッドブルとは全く違っているが、1周走るごとに感触をつかめてきた。今後レースを重ねていくなかで、さらに学習していくことができるだろう。
(formula1.comのインタビューで語り)レース前にこれほど心が乱れたことはない。22歳や23歳ではまだ親しい友人を失うというような出来事に慣れていない。彼とは僕が7歳でカートで走っていたころから一緒に過ごした。ルームメイトだった時期もあり、6年間、同じ部屋で暮らしたし、クラスメイトでもあった。
(同じ幼なじみの)シャルルに、レースの前に頼んだ。「どうかアントワーヌのために勝ってくれ」とね。シャルルとアントワーヌと僕は、同じ年にレースを始めた仲間だった。
不幸にもこういうことが起こると、モータースポーツは危険なスポーツだということを人々に改めて思い出させてしまう。僕はただただ悲しい。一番の親友がレースで亡くなってしまうなんて。
■ルノーF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=8位
スタートから難しいレースだった。ターン1で他のマシンとの接触が起きそうになり、避けるためにポジションをいくつか落としてしまった。中団の戦いは今日も熾烈で、一度失ったポジションを取り戻すのは簡単なことではなかった。
終盤にソフトタイヤに交換するという戦略は効果があったね。終盤はラッキーな面もあったけれど、それもレースの一部だ。
ポイントを獲得できてうれしい。(F2ドライバーのアントワーヌ・ユベールが事故で命を落とすという)ショックな出来事が起きた後なので、皆、辛い思いをしていた。でも一度ヘルメットを被って、アドレナリンが出てくると、やるべきことに取り組まざるを得なくなる。そうした状況のなかで走ったレースだけに、ポイントを獲れてよかった。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
ダニール・クビアト 決勝=7位
今日はすごくいいレースができた。後方グリッドから7位フィニッシュというのは素晴らしい結果だよ。
今日は昨日より気温が下がると予想されていて、そうなれば僕らのマシンのパフォーマンスがよくなるだろうことは分かっていた。実際、決勝で大きくポジションを上げることができた。
僕らの今年のマシンは土曜より日曜の方が優れたパフォーマンスを発揮する傾向にある。どちらかといえばその方がいいよね。肝心なのは決勝だから。
今日は何度もオーバーテイクを成功させ、タイヤマネジメントも戦略もうまくやれた。ライバルと戦える速さもあったし、すべての要素をしっかりまとめあげることができたと思う。自分のレースにも結果にもすごく満足している。とても楽しいレースだった。
■スポーツペサ・レーシングポイントF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=6位
(土曜にF2ドライバーのアントワーヌ・ユベールが事故で命を落とすという出来事があり)僕らのファミリー、コミュニティの皆が悲しみに暮れた。今日走っていて心の底から楽しんでいたドライバーはひとりもいないと思う。それでも、僕らにできることはアントワーヌのために今日走ることだけだった。彼と、彼のご家族、友人にこのレースを捧げたかった。
チームにとっていい結果を出せたね。金曜に(パワーユニットの)トラブルがあったことを考えれば上々の結果だ。最初から最後まできついレースだったが、たくさんのポイントを稼げたし、今後のレースに向けてポジティブな流れをつかむこともできた。
スタート直後には混乱が生じていて、コース外を使って避けなければならず、そのためにふたつかみっつポジションを落とした。その後は、失った順位を取り戻すために必死に走り続けたよ。アタックモードでオーバーテイクを繰り返し、5位でフィニッシュできそうな状況だった。でも最後の最後に(アレクサンダー・)アルボンが追いついてきた。彼はあまりにも強力だったから、抑え切るのは無理だった。
かなりアグレッシブな戦略で走ったことの代償を、レース終盤に払わなければならなかった。最終ラップでオーバーテイクされるのは本当に辛いものだけど、僕らはやれるだけのことをやった。全体的に見て、いいパフォーマンスを発揮できたと思う。
スパは比較的僕らと相性がいいサーキットだから、今後のレースでどこまでやれるかが楽しみだ。