2019年F1ベルギーGP決勝で、レッドブル・トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは9位入賞を果たした。
予選16番手のガスリーは、他者の降格ペナルティにより13番グリッドからのスタートに。1周目に9番手に上がり、ソフトタイヤから13周目にミディアムに換える1回ストップで走り、トロロッソへの復帰戦を9位でフィニッシュ、ポイントを獲得した。
ガスリーは、土曜にF2のレース中の事故で亡くなったアントワーヌ・ユベールとは幼なじみで、彼の死に大きなショックを受けながらレースに臨んだ。昔からの仲間のシャルル・ルクレールは、このレースでF1初優勝を挙げ、勝利をユベールに捧げた。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
ピエール・ガスリー 決勝=9位
これほどエモーショナルなレースはキャリアのなかで初めてだ。今日はアントワーヌのために、できる限りいいパフォーマンスを発揮したいと思った。それが僕にとって一番大事なことだった。
レースを走り終えていい結果を出し、トロロッソでの復帰初レースで2ポイントを獲得できたことに満足している。
きついレースになることは分かっていたが、挑戦した。かなり早い段階でピットストップをするというアグレッシブな戦略で走ったため、レース後半、ソフトタイヤを履いたドライバーたちとの戦いは簡単にはいかないと覚悟していた。でも、全力を尽くして前のマシンに挑み、後ろのマシンからポジションを守るために戦った。際どいバトルをして、この2ポイントを手に入れたので、満足している。このポイントはチームのものであり、アントワーヌのものだ。
レースを走るなかで、このマシンについてたくさんの発見があった。レッドブルとは全く違っているが、1周走るごとに感触をつかめてきた。今後レースを重ねていくなかで、さらに学習していくことができるだろう。
(formula1.comのインタビューで語り)レース前にこれほど心が乱れたことはない。22歳や23歳ではまだ親しい友人を失うというような出来事に慣れていない。彼とは僕が7歳でカートで走っていたころから一緒に過ごした。ルームメイトだった時期もあり、6年間、同じ部屋で暮らしたし、クラスメイトでもあった。
(同じ幼なじみの)シャルルに、レースの前に頼んだ。「どうかアントワーヌのために勝ってくれ」とね。シャルルとアントワーヌと僕は、同じ年にレースを始めた仲間だった。
不幸にもこういうことが起こると、モータースポーツは危険なスポーツだということを人々に改めて思い出させてしまう。僕はただただ悲しい。一番の親友がレースで亡くなってしまうなんて。