2019年F1ベルギーGP決勝で、レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンはここまでの自己最高位である5位を獲得した。
アルボンは、今回ホンダが持ち込んだ新しいスペック4パワーユニット(PU/エンジン)に交換したためグリッドペナルティを受け、17番グリッドからのスタートとなった。44周のレースを、ミディアムタイヤから23周目にソフトタイヤに交換する1回ストップで走ったアルボンは、スタート直後に大きく順位を上げた後、オーバーテイクを繰り返し、最終ラップにレーシングポイントのセルジオ・ペレスを抜いて5位をつかんだ。
この際のバトルに関し、ペレスがアルボンをコース外に押し出した疑いで審議がなされた。ペレスが動いたためにアルボンは2輪を芝生に乗せながら抜かなければならなかったが、ペレスはアルボンが右側からオーバーテイクするとは思っておらず、気付いた際にすぐに左にどいたと説明、アルボンが無事に前に出ることができたこともあり、スチュワードはペレスにペナルティを科さないことを決めた。
■「いい“デビューレース”だった。この結果を亡きユベールに捧げる」とアルボン
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
アレクサンダー・アルボン 決勝=5位
すごくハッピーだ。5位という素晴らしい結果を出し、とてもいい形でこのチームとのスタートを切ることができた。今日は走っていて楽しかった。レースをエンジョイしたよ。
今週末、最初はとても緊張していた。あの時点で「君は5位でフィニッシュするよ」と誰かが予告してくれたら、うれしかっただろうね。今日のレースを終えて、多少リラックスすることができた。
難しいレースだった。ファーストスティントでは渋滞のなかで走り、乱気流の影響でグリップを十分に得られず、全くオーバーテイクができなかった。でもソフトタイヤに交換した後、マシンがパフォーマンスを取り戻し、「よし、これで行動を起こせるぞ!」と思った。
最終ラップはすごくうまくいったね。セルジオととてもいいバトルをした。ふたりとも芝生にはみ出しながら激しく戦った。
僕にはまだ改善すべき部分がいくつかあるから、これからの数日を使ってしっかりと宿題をこなし、モンツァに向けて対処する。チームの皆とじっくり話をして、なぜレース序盤に苦労したのかを理解したい。僕はまだこのマシンをうまく走らせるための小さな秘訣を見つけられていないから、これからそれを探って適応したい。
今週末はそれほど大きなプレッシャーを感じていなかった。メディアの人たちは、僕に巨大なプレッシャーがのしかかるものと考えていただろうけど、実際にはこのチームとの1週間を楽しく過ごした。いままでとは違う作業のやり方を学び、いい経験ができた。
昨日の夜は(アントワーヌ・ユベールの訃報を受けて)とても辛い思いをした。僕たちルーキーは、アントワーヌのことをよく知っていたから、精神的にきつかった。今朝もいつもとは違う気分だったし、重苦しい雰囲気だった。このレースを彼に捧げたい。